ゴーン事件で「サラリーマン取締役」は変わるか

日本企業のガバナンスに突き付けられた課題

ゴーン事件が日本と世界に与えた衝撃とは? (写真:ロイター/Kim Kyung-hoon)
瀕死の日産を救った伝説の経営者であり、ダボス会議でも注目を集めた一流のグローバル・エリート。華々しい経歴の裏で、私腹を肥やす資金工作の疑惑で逮捕され、2019年末に衝撃の国外脱出を敢行した。カルロス・ゴーンとは、いかなる人物だったのか。その生い立ちから今に至るまでの詳細を記した『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』がついに刊行された。
この記事では、本書のあとがきを抜粋・編集してお届けする。

またもや(意図せざる) 改革者となるのか?

今後、ゴーン事件に新たな展開があるとすれば法廷、それも日本から遠く離れたイギリス領ヴァージン諸島、オランダ、フランス、レバノンなどにおいてだろう。

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とはいえ、これらの法廷では、日産とルノーが申し立てたさまざまな告訴が部分的に審議されるだけで終わるはずだ。それでもゴーンに対する訴訟は延々と続く。

日本はどうか。ゴーン被告不在のままでまもなく、日産自動車と、同社の元法務責任者だったグレッグ・ケリーは、「延期報酬」という複雑な物語について法廷で釈明しなければならない。その後、民事訴訟も行われる。

いずれにせよ、日本では大きな進展はないだろう。日本は企業ガバナンスを変革するための絶好のチャンスを逃した。

しかし2018年11月19日のゴーン逮捕は、日産だけでなく他の日本企業にとっても、企業ガバナンスを熟考する機会にはなった。「アライアンス」の元会長ゴーンは、凋落する際も変わらず「異物」であり、日本を蝕むウイルス、あるいは日本を変革する薬品のような存在だった。

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