スーパーで「コロナ感染しない」ための大鉄則 「買って来た食料品の消毒」はしなくていい

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では買い物に行く際、どういった点に気をつければいいのだろうか。食材の買い出しを「地雷原」を歩くようだと表現する米ウェブメディアのVOXは、買い物へ行く回数を最小限(1週間に1回か2週間に1回)にするようアドバイスする。また、行くときは1人にして、いろいろなところを触りたがる小さな子は、可能であれば連れて行かない方がいいとしている。

米ワシントン大学で栄養学を教える非常勤講師アン-マリー・グロスター氏はVOXに対し、事前に買い物リストを作ることを勧める。こうすれば最短の時間で買い物ができるうえ、買い忘れも防げる。同氏はまた、店内に入ったらまず、買い物カゴやショッピングカートのハンドルを消毒シートなどで消毒するよう強くアドバイスする。

食料品の買い出しの際に、ウイルスから身を守るために手袋をする人も少なくないが、これはやめたほうがいいようだ。英インディペンデント紙は、米ミシガン州の看護師モーリー・リクシー氏がFacebookに投稿して話題になった動画を紹介した。動画の中でリクシー氏は、手袋をして食材の買い出しをすると、手袋をしている安心感も手伝い、ウイルスを簡単に広げてしまうと指摘。何かを触った後すぐに洗わないのなら、手袋をしても意味がない、と警告する。

イングランド公衆衛生局もインディペンデントに対し、医療関係者でない一般の人が感染防止目的で手袋を使うのは勧めない、と話している。手袋よりも、人との距離を開ける、手を洗う、などのほうがずっと効果的だという。

買って来た「食材の消毒」は必要?

支払いは、どの方法がもっとも安全だろうか?VOXを始め、非接触型の決済法がベストだという記事が多い。スマートフォンやICカードをかざして払う方法だ。クレジットカードだと、画面や数字パッドに触れる必要があるし、現金はあまり清潔でないことは有名だ。 

帰宅したら、買って来たものを消毒する必要はあるだろうか? 米ラトガース大学環境・生物科学大学院のドン・シャフナー教授はVOXに対し、「買って来た食料品の消毒は勧めない」と話す。「食品やパッケージを介して感染したという事案は聞いたことがない」と言い、「過剰に心配しすぎ」だとしている。

米国食品医薬品局(FDA)のフランク・イアンナス食料政策・対策副長官も、FDAで発表した声明の中で同様のことを述べている。米国での話ではあるが、「食品やパッケージから新型コロナウイルスに感染したことを示す証拠はない」という。

ただ、モノの表面にコロナウイルスがどの程度残り続けるかを調査した香港大学のプーン教授は、本サイトで以前紹介した通り、食料品の購入後、心配なら1日ほど放置してから触る方がいい、と提案している。

生活必需品を安心して買うための方法を紹介する記事が共通して強調するのは、やはりとにかく手を洗うことだ。携帯電話も、店内ではなるべく触らない方がいいとのアドバイスも少なくない。店内に置いてある手指消毒液を活用しつつ、滞在時間はできるだけ短くし、帰宅したら石けんでしっかり手を洗おう。

松丸さとみ/フリーランス翻訳者・ライター
学生や日系企業駐在員として英国・ロンドンで計6年強を過ごす。駐在員時は、在英日本人向けに英国および欧州のビジネスニュースを日本語で配信する日系企業にて編集・執筆などに従事。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に幅広い分野の翻訳・ライティング(ときどき通訳)を行っている。
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「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

世界のニュースを独自の切り口で伝える週刊誌『ニューズウィーク日本版』は毎週火曜日発売、そのオフィシャルサイトである「ニューズウィーク日本版サイト」は毎日、国際ニュースとビジネス・カルチャー情報を発信している。CCCメディアハウスが運営。

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