「名もなき家事増えすぎ」わが家の緊急事態宣言 自粛で爆発寸前の妻のイライラを回避する策

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「何もしないのに疲れるのか?」という疑問を持つ読者も多いだろうが、やろうと思っていた計画が音を立てて崩れていくのは、相当なストレスを伴うのである。こうしたイラつきの構造を理解することは、わが家の緊急事態宣言を回避するために重要になろう。

繰り返しておくが、家事や育児に協力し、家事シェア・育児シェアを進めるのが理想である。その事実は変わらない。しかし、少なくとも無駄に呼び止めることなく「家事を増やさない」「集中してやっていることを中断させない」ことがわが家の緊急事態宣言を回避するための有効な一手になることは心に留めておいてほしい。

言うなれば「ねぇ、禁止令」だ。

それだけで、どれだけ家事がはかどるだろうか。やるべきことをこなせるだろうか。やりたいことに着手できるだろうか。その結果、心に平穏が訪れ、家族にも優しく接することができるようになるのだ。

いま見つめ直したい「家庭の絆」

新型コロナウイルスは、世界が一丸となって戦うべき相手である。医療関係者は1人でも多くの人を救うべく24時間体制で診療に当たっている。製薬会社はワクチンや特効薬の開発に着手している。小売店や物流、金融機関などのインフラ関係の人も感染リスクと日々戦いながら仕事をしてくれている。

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その一方、私たちができることは限られているのも事実だ。人との接触を8割削減する。買い占めをしない。デマを流さない、デマに流されない。できる限り家にいる。そして、最も大事なことは、一つ屋根の下で暮らす家族が仲良くいることである。さらに言えば、家族が仲良くいようとすることだと考えている。

その第一歩として、家事を支えてくれている人に感謝をしよう。家事を支えてくれている人を支えようとしよう。少なくとも、家事を支えてくれている人の邪魔にならないようにしよう。

こうしたポイントを心がけるだけで、家庭内の平和は保たれるようになる。人間が新型コロナウイルスに打ち勝つ手段として、家庭という最も小さく、最も頼りがいのあるコミュニティーを強固なものにすることを忘れてはならない。そして、ここで生まれた家族の絆は、その後の人生を豊かにし、長きに渡って自分の支えとなっていくであろう。

最後に私が具体的な行動として心がけていることを効果とともに示しておく。家庭の平穏のために、参考にしていただければ幸いである。

・窓を開ける:風が抜けることで、閉塞感が軽くなる
・音楽を流す:イライラした気持ちを落ち着かせることができる
・部屋を片付ける:可処分空間を増やして、個人スペースを確保する
・ベランダや車を部屋にする:家族と距離を置く個人スペースを確保する
・テイクアウトを活用:献立地獄をお金で解決することも必要
・入浴剤を入れる:少しでもリラックスができるように
・完璧を手放す:不完全な自分と相手を許すことが心の安定になる
梅田 悟司 コピーライター・武蔵野大学教授

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うめだ さとし / Satoshi Umeda

1979年生まれ。上智大学大学院理工学研究科修了。広告会社でコピーライターとして活動した後、ベンチャー企業のコミュニケーション戦略の立案を中心とした起業家支援を行う。現在は、武蔵野大学にて、学生起業の支援に加えて、起業家研究を行っている。主な仕事に、ジョージア「世界は誰かの仕事でできている。」、リクルート「バイトするなら、タウンワーク。」、Surface Laptop 4「すべての、あなたに、ちょうどいい。」のコピーライティングや、TBSテレビ「日曜劇場」のコミュニケーション・ディレクターなどがある。著書にシリーズ累計35万部を超える書籍『「言葉にできる」は武器になる。』(日本経済新聞出版社)ほか。

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