「Zoom婚活」を享受する35歳男性の納得理由 オンラインお見合いは実はメリットしかない

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また、オンラインお見合いに抵抗がある要素の1つとして、背景が映り込んでしまい、どんな部屋に住んでいるのかわかってしまうのが嫌だという人もいるだろう。狭いワンルームで、ベッドが見えてしまったり、部屋が散らかっているのがわかってしまったりすることに抵抗がある人もいる。

ところがZoomは、背景を自分の好きな写真画像に変えられる。スマホやパソコンに保存してある画像を呼び出し、それを背景にすることができるのだ。

正治が4月の初めにZoomでお見合いをしたとき、女性の背景が、満開の桜の画像だった。

「きれいな背景ですね」と正治が言うと、彼女はこう答えた。

「今年は、お花見も自粛だから、せめて今日は満開の桜の中に、自分を入れてみました」

そこから、毎年春になると、どこでお花見をするかという話になったという。

「私は、目黒川沿いのお花見に毎年会社の同僚と行くんですよ。ピンク色のスパークリングワインを飲むのが楽しみです」

「あ、僕も、それ飲んだことありますよ。ワインの中に生の苺が入っているものもありますよね」

そこからは、お花見の話でひとしきり、盛り上がったそうだ。

どんな状況下でも、前向きになれる人が強い

今回のコロナウイルス騒動は、その人がどういう人間なのか、本質を知るリトマス試験紙になっている気がしてならない。

正治のように、いち早くZoomを使ってお見合いし、その後もオンラインでコミュニケーションを取っている人たちもいる。仲人の中には、Zoomによる婚活パーティを主催する人も出てきた。この状況下でできることを探し、それを楽しく活用しているのだ。

そうかと思えば、「休会します」という連絡をよこして以来、こちらが業務連絡を入れても、一切返信をしてこなくなった会員もいる。

私が、「お相手相談室から、『オンラインのお見合いは、いかがですか?』ときていますが、どうしますか?」と連絡を入れたところ、「緊急事態宣言が明けるまではお見合いはしないって、言いましたよね!」という強い口調のLINEを返してきた会員もいる。

今テレビやネットは、コロナのニュース一色だ。感染者と死亡者の数が連日報道されている。終わりの見えない戦いに、人々のイライラも募ってきている。

そんな状況下で、ストレスをためずにどう生活していくのか。どう婚活をしていくか。

前向きに暮らし、この状況下でやれることを見つけ、愚痴を言わずに笑っていられる人こそ、将来のパートナーにふさわしいのではないか。

Zoomお見合いから交際をスタートさせている正治やそのほかの会員たちが、リアルで会えるようになり、その後結婚へと進めたら、その道のりの記録は、またここにつづりたいと思う。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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