金正恩委員長「重体説」に振り回される周辺国 韓国政府は「事実無根」として重体説を否定

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2018年、南北首脳会談に臨む金正恩委員長と妹の与正氏(写真:ソウル新聞)

アメリカのCNN放送が北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の重体説を報道した。その翌日となる4月22日、北朝鮮メディアは金委員長の公開活動を報道しなかった。

韓国政府は「金委員長重体説」を否定したが、アメリカのトランプ大統領は「事実かどうかわからない」との慎重な立場をとった。

北朝鮮の朝鮮中央通信は4月22日、金委員長が故・金日成主席の誕生日に祝電を送ったシリアのアサド大統領に返事を送ったという、簡単な動静のみを伝えた。同通信をはじめ他の北朝鮮メディアも、金委員長の公開活動を伝えなかった。

これまでの北朝鮮ならば、最高指導者の身辺に異常が生じたとする報道があるたびに、適当な時期を見計らって最高指導者関連の公開活動を報道してきた。それからすれば、今回の報道ぶりは異例だと指摘されている。

北朝鮮メディアも動静を報道していない

韓国政府は依然として「健康異常説は事実無根」という立場だ。大統領府の主要幹部は「4月21日、北朝鮮内部に特異な動向が識別されていない立場を表明したが、それは22日も同様だ」と述べた。ただ、金委員長が北朝鮮東部・元山(ウォンサン)にいて手術を受けたという報道の真偽については、「金委員長が元山にいるのか他の場所にいるかは確認して申し上げることはできない。手術したかどうかも言えない」と付け加えた。

韓国統一省も、韓国国会の外交統一委員会で行われた非公開の会議で、北朝鮮メディアが金委員長の動静を相次いで報道したことを例に挙げ、正常な業務遂行が行われていると発言したという。北朝鮮メディアは20日、金委員長が金正恩勲章の授与式を行ったという動静記事を報道した。最近ではキューバやジンバブエ、シリアの首脳へ祝電を送っている。

しかし、韓国政府が金委員長の動きを迅速に公開して異例の火消しに動いたにもかかわらず、北朝鮮がなんら反応していないことで、金委員長の重体説は鎮火の兆しさえ見えない。

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