DV夫の「借金1400万」に苦しんだ女性の数年後 マッチングアプリで出会った男性との新生活

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自分には男性を見る目がない、と今では自覚している博美さん。前夫の妄想混じりの褒め言葉にうれしくなり、両親の反対を押し切って駆け落ち同然に結婚をしてしまった。

「私の両親は世間体を気にする人たちです。彼がバツイチで子どもがいること、大学に行っていないことなどを嫌っていました」

それだけではない。挨拶に来た前夫を見て「誠実さが感じられない」という重要な指摘もしていた。しかし、前夫の作品と言葉に夢中になっていた博美さんは突き進んでしまう。

博美さんと前夫が出会った頃はバブル経済の名残があり、デパートなどで作品を販売する機会が少なくなった。しかし、結婚が決まったあたりからそれが激減し、前夫は引越のアルバイトなどをせざるをえなくなった。

「でも、けんかして1日で辞めてきたりしてしまうんです。私が働いて生計を立てていました」

妊娠し、前夫の暴力が始まった

約1年後に博美さんは妊娠をする。しかし、出血をしてしまって寝込みがちになった。そのときから前夫の暴力が始まった。

「突然、馬乗りで何度も殴られたんです。『1日中、ゴロゴロしやがって。オレは働かないヤツが嫌いだ!』と言われて……。彼は元の奥さんにも私にもうそをついて息子と会っていたのですが、それがバレて会えなくなったのも私のせいにしていました」

さらに前夫は博美さんが複数の男性と浮気をしているとのうそを言い続け、協議離婚を拒否。博美さんはDVを受けていることを同僚に話していたため、彼女たちの証言が助けとなり裁判でようやく離婚することができた。33歳の頃だ。

博美さんの災難は続く。離婚して7年が経った頃、突然に闇金業者から1400万円もの借金返済を要求された。前夫と結婚していた時代に、彼のアトリエを新築するために多額の金を借り、その連帯保証人になっていたのを忘れていたのだ。前夫が行方をくらませたため、博美さんが返済しなければならなくなった。

「ちょうどその頃に勤務先の学校法人の経営が傾いたんです。ハローワークにも行きましたが、40歳目前の私にはなかなか仕事がありませんでした。娘たちは高校生と中学生。さて、困ったと思いました。月々10万円以上もお金を返しながら、生活をしていかなければなりません。以前に買いそろえたアンティーク家具など、売れるものは何でも売りました。実家には助けを求められません。私は女性なので、売れるものがまだあると思いつきました」

博美さんが門を叩いたのはいわゆる熟女風俗の世界。上品な風貌とのんびりした性格が人気となり、すぐに「指名ナンバーワン」を獲得。10カ月で400万円ほど稼いで急場をしのぐことができた。

「そのときのお客さんの1人が借金の借り換えを教えてくれました。高い利子を払わなければならない闇金業者には一括で返済し、毎月の返済額が5万円近くも安くなったんです。あと5年ぐらいですべて返し終えられます。風俗のバイトでは嫌な体験もたくさんしましたが、いいお客さんに出会うこともできました。地獄に仏だと思います」

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