コロナで露呈「肩書きが泣くバカ」5つの典型例 大臣、議員、所長、教授…権力を得た者の緩み

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3月27日、谷本正憲石川県知事が会見で、「無症状の人は石川県にお越しいただければ。新幹線もあり、2時間半で来られますから」と県内観光をアピール。批判の声にも「鎖国制度なんてとったら日本経済破綻します」と反発した。谷本知事は4月1日にも、「兼六園を散策すればリフレッシュできる」とPRしていたが、同県初のクラスターが確認された10日、「局面が変わった。石川県に極力入っていただかないように」と発言を撤回。
昨年9月まで環境大臣を務めた原田義昭衆議院議員が、「医療用マスク高額販売の口利きをしている」と報じられた。すでにマスクの高額転売は禁止されているが、「相場がわからない」「『高額』という紹介にビックリ」と他人事のような釈明をしたという。

上記は、「命よりお金」タイプのバカ。

あらゆることをお金に結びつけて考える習慣があり、「命あってのお金」という当たり前の優先順位がわからなくなっています。利益を上げるためなら、ちゃっかりや便乗は当たり前で、そのためなら多少のプライドは気にしません。多額のお金を手にした人が陥りがちな傾向であり、失わなければその過ちに気づけないのが難しいところです。

職務に自信が持てない首相と環境相

4月10日、小泉進次郎環境相は会見で、自宅でビデオ通話をしながら複数の人とお酒を飲む“ウェブ飲み”を行っていることを明かした。政府が大人数での会食自粛を求める中、「同世代の議員はそういうことも進んでいる。コミュニケーションを切らさず情報収集している」という。これを聞いた人々から「そんなことをしている場合か」と非難の声が挙がっている。
4月12日、安倍晋三首相がツイッターで、星野源さんが歌う「うちで踊ろう」にコラボする形で、自宅ソファに犬を抱いて座り、お茶を飲み、読書するなどくつろぐ姿を公開した。菅義偉官房長官は、「35万を超える“いいね”をいただいた」と語ったが、批判の声はそれをはるかに超えている。

上記は、「肩書に見合う資質なし」タイプ。

やるべき職務は棚上げして庶民派アピールを優先し、好感度アップを狙っているように見えてしまいます。「『ウェブ飲みができない』『自宅でくつろぐ心境になれない』という人々の気持ちをわかっていない」と言われて当然でしょう。

これらは仕事が減り、お金の不安がある人の多さを理解していないからの言動であり、さらに職務外のアピールをしてしまうのは、「自分の仕事に自信が持てず、それを補おうとしている」から。肩書きの大きな人ほど、職務で成果を収められないときに別のことでフォローしようと思いがちですが、かえって信頼を失ってしまうだけです。

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