世界各地の親が「ネット授業」に悲鳴を上げる訳 "IT先進地"シリコンバレーの親も苦戦中

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オンライン授業といっても、そもそも家にパソコンやネット環境がない家庭はどうするの!?と思った人も多いのではないでしょうか?

オンライン学習をする6歳の娘さん。少しづつ操作を憶えつつあるとか。(写真提供:まゆみさん)

シリコンバレー(ベイエリアの一部の学区)では、まずはGoogle社がそういう家庭に支援協力を行い、今は市も支援する体制になったそうです。また、親同士でパソコンを貸し合う動きもあったそう。これは、日本でも可能なことではないでしょうか。

あと、マンガに描ききれなかったオンライン教育の問題点はほかにもあって、その1つは「画面に家庭のプライバシーが映り込んでしまうこと」。例えば、オンラインクラスミーティング中に、子どもの後ろを歩く半裸の親が映ってしまい「ご家族は服を着てください」という注意を促す学校もあったそう(笑いごとじゃないけど、笑える……!)。

学校単位でなくたっていい

私が思うに、日本の公教育そのものは優れていますが、学校のオンライン環境は先進国の中では著しく遅れています。でも、日本には、ITにも明るい教育関連会社や塾がたくさんある。

だからこそ、いま日本では、学校以外でもいろんな形の学習支援が展開されているのです。マンガで紹介した日本コスモトピアの「みんなの学習クラブ」のほか、東京都教育委員会も推奨する東京ベーシックドリル、さらにNHK Eテレ(教育テレビ)は休校対策として「NHK for school」という膨大な過去教育番組が見られるサイトとアプリを公開中です。

つい最近の動きとしては、TOKYO MXテレビが「テレビ小学校」として生活・学習支援番組を放送開始しました。また、各自治体、学校でも独自のオンライン学習を推進し始めています。

私が今回の取材で思ったのは、日本がオンライン教育を今後進めるにしても、必ずしも学校単位、クラス単位ですべてやる必要はないということ。日本の教育現場の現状を考えると負担が大きすぎるからです。

私が思う日本のオンライン教育のカギは、学校が学校以外の企業とどうタッグを組んでいくかということ。海外のいいところは取り入れ、日本のいい部分は生かしていくのが大事な気がしました。

そういうことを進めるうえで大事なのが、今回学んだつかれない家族になるヒント。

子どもの休校中の学習対応、学校のやりかたにイライラ!

未曾有の事態だから、学校側が混乱してしまうのは当たり前。
先生を責めるだけじゃなくて、「提案」「リクエスト」という形で、
学校と一緒に子どもの学習環境を作っていこう。

サンフランシスコ外出禁止生活事情、もともとは今回で終わりの予定だったのですが、取材をするうちに、自宅でどうやって子どもを遊ばせるか、という点でも面白い話を聞くことができました。次回は「外出禁止でも友達と遊ぶ方法」について紹介したいと思います。

前々回記事:外出禁止の国に「日本はヤバい」と心配される訳

前回記事:外出禁止の国が実践する「非常時生活」のリアル

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと家族や夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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