安倍vs.小池に見る「日本の対策」深刻なヤバさ

封鎖しているサンフランシスコからの警告

1週間後、サンフランシスコ湾周辺の7つの郡は国内で初の外出禁止令を発令し、サンフランシスコ、サンノゼ、オークランドを含む都市の7百万人以上の市民に自宅に留まるよう命じた。

医療、食料品店、薬局、ガソリンスタンド、銀行、保育施設等生活に必須のサービスを除き、すべての商売や職場が閉鎖された。バーやレストランはテイクアウトと宅配以外、ドアが閉ざされた。この規制は3日後、すでに65歳以上の成人に対して家に留まるよう命じていたカリフォルニアの州全体に拡大された。

感染者数は減少傾向に

1カ月以上後、この決断力ある行動の果実が目に見えてきている。国内でも初期の「ホットスポット」の1つだったにもかかわらず、ベイエリアでICUに入っている感染者数は4月8日以来減少している。検査不足による統計上の記録への影響はあるものの、当局関係者が言うところの「曲線がなだらかになっている」ことを示す明確な証拠が出ている。

感染者数の増加率は下がり、死亡率も大幅に減少している。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)で疫学の領域を率いるジョージ・ラザフォードによると、現在発生している症例はほとんどが「家庭内」のもので、医療関係者や、外出禁止令を破る人たちだという。「人口全般には、感染は増えていない」と、サンノゼ・マーキュリーニュース紙のベテラン記者、リサ・クリーガーは話す。

人口4千万人を擁し、アメリカでも最も人口が多い州の一つであるカリフォルニア州は3月4日の時点で国内で最も症例数が多かった。1カ月後、その半分の人口を擁するニューヨーク州では検査数も多いものの、陽性者数がカリフォルニア州の10倍以上に上る。カリフォルニアで10万人当たりの死者数が2人以下のところ、ニューヨークでは51人となっている。

重症患者の急増に対応できないと報じられている病院システムを擁する東京は現在、新型コロナウイルス患者数増加の瀬戸際に置かれている。東京が向かう方向はサンフランシスコだろうか、それともニューヨークだろうか。東京、そして日本が手本とすべきことは何だろうか。

教訓1:早期に、厳格に

カリフォルニアとニューヨーク、そして大打撃を受けているニューオーリンズとの間に違いをもたらした要因にはいくつかの特徴的な特性があるが、中でも人口密度、公共交通の利用、根底にある貧困が挙げられる。しかし、感染症専門家のほとんどは、最も大きな原因は早期に、厳格に施行された「ソーシャルディスタンス」措置であると指摘する。

「率直に言えば、外出禁止令によるものだ」と、ラザフォードはサンノゼ・マーキュリーニュース紙に語っている。

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