思春期に入った発達障害の子供との向き合い方 「ゴールは1つではない」と伝えることが大切

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前出の横浜市の親子は、中2から理解ある担任に恵まれ、徐々に落ち着きを取り戻した。受験を意識し、中3から「時間差通学」できるようになった。

思春期に当事者たちが直面するジレンマの1つが、親と子が「障害をどう受容していくか?」。

理解の度合いに応じて伝えていく

漫画家のかなしろにゃんこ。さん(49)は、息子(21)の「発達の段階と理解の度合いに応じて」3回に分けて伝えてきた。

息子にADHDと軽いASDがあるとわかったのは小4のとき。精神科のクリニックに通い、「僕、何か病気なの?」と聞かれ、答えに窮した。3学期になり、思い切って伝えてみた。

かなしろにゃんこ。『うちの子はADHD』(講談社)から。思春期の息子と母の親子喧嘩や、金銭感覚をどう身につけさせたかなど、実体験を赤裸々に描く(イラスト:AERA dot.提供)

「あなたはずっと座っていられなかったりするでしょう? それはね、ADHDっていう発達障害があるからなの」

かなしろさんは、息子が障害の特性を理解したら、工夫して特性をカバーする段階に入っていけると考えていた。だが、響いているように見えなかった。中2のとき、息子が学校の友人とのけんかの愚痴をこぼしたタイミングで本格的に伝え直した。

「ADHDだから、どうしても熱くなっちゃうよね? だけど、『俺はダメなやつなんだ』なんて思わなくていいよ。発達障害のある人は割と偉人に多い。スティーブ・ジョブズもそう。天から授かった才能なんだから」

息子は肯定的に捉え、「このときから、息子に『俺は選ばれた人間』くらいの陽気さが出てきた」とかなしろさんは振り返る。

社会的な理解が進んだ高校生になってからは、「あなたの中に障害があるのではなくて、あなたが成長する段階で、まわりに段差ができる。そのまわりの段差が障害という意味だよ」ということも伝えた。

20歳を過ぎた頃、息子に言われたことがある。「僕は今まで人と違う行動を取り、感性が違う理由は『だからなんだ』と理解はできた。でも最初は地獄かと思ったよ。『障害』という言葉がとても引っかかったんだ」

かなしろさんは言う。

「理解できるキャパが年齢ごとに違う。いっぺんに障害を理解してもらうのは難しいから、スライド式の伝え方はお勧めです」

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