運動不足で「自宅フィットネス」に高まる期待 コロナ影響受けたジム休業が利用者数増加に

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一方で、オンラインフィットネスの人気が高まっているのは、日本のみではない。最初に感染が確認された中国ではいち早く外出禁止やリモートワークへの切り替えが行われ、自宅での運動不足が課題となっていた。元々、中国でも健康需要は増加していたが、外出制限やジムの閉鎖がさらにオンラインフィットネスの人気を後押ししたようだ。

マーケティング会社のトレンドExpressが1月20日から2月9日までのウェイボー(微博)や小紅書(RED)といった中国の各種SNSの口コミを調査したところ、自宅でしている項目で「ヨガ」「体操」「ダイエットをする」といった運動や健康に関する投稿も目立っていた。

実際に、中国オンラインフィットネス大手の「Keep」は動画共有アプリ「抖音(ドウイン)」でレッスンを配信。また上海にあるオフラインジム「ジャスティンジュリーフィットネス(JustinJulieFitness)」は抖音や「虎牙直播(Huya)」など複数アプリでレッスンのライブ配信を開始した。

さらに中国のマーケティング会社「新営銷」によると、動画共有サイトの「bilibili(ビリビリ)」では、コロナの感染が拡大していた時期に、スポーツ・フィットネス関連動画の総再生数が前年の2倍の6億6000万回になっていたと言う。

フィットネス熱の急上昇で、日本のゲームも中国で注目を集めている。任天堂のフィットネスゲーム「リングフィット アドベンチャー」は品薄で、出荷が遅延する事態にまで至った。実際に中国での販売価格を見ると、日本国内の定価は7980円(税抜き)だが、中国最大のCtoCプラットフォーム「タオバオ」では1400元ほど(約2万1000円)で販売されているものもある。

今後も伸びしろがある自宅フィットネス

オンラインフィットネスは新型コロナウイルスによる在宅での運動ニーズの高まりのみではなく、コロナ終息後も伸びしろは大きい。スポーツ庁が2月27日に発表した「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では、週1日以上運動・スポーツをする成人の割合は前年比1.5%減の53.6%だった。

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スポーツをしない理由としてトップに上がるのは「仕事や家事が忙しいから」(43.7%)と、オフラインジムでは解消しにくい課題だ。オンラインフィットネスは、今後も需要が伸びそうだ。

臼井 杏奈 美容業界ライター

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うすい あんな / Anna Usui

青山学院大卒後、産経新聞社に入社しスポーツ記者に。その後INFASパブリケーションズに入社し、WWDJAPANを経てWWD BEAUTYに所属。美容業界記者として外資系ブランド担当およびビューティーテック、アジア市場、スタートアップ、新興市場などを担当。現在はフリーランスとして活動。

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