中国の自動車市場は新型コロナウイルス流行の打撃からゆっくりと回復している。4月10日、中国汽車工業協会(訳注:中国の自動車メーカーの業界団体)は3月の新車販売台数が143万台だったと発表した。過去最大の落ち込みを記録した2月(31万台)に比べれば4倍以上だが、前年同月比では43%減だった。
新型コロナの中国での流行がピークに達した2月には、国内の自動車産業はほとんど停止状態に陥っていた。その後、流行の落ち着きとともに業界は徐々に明るさを取り戻しつつある。中国汽車工業協会副秘書長の陳士華氏によれば、4月9日までに全国204カ所の生産拠点のうち99.5%が操業を再開し、従業員の86%が職場に復帰した。
とはいえ、自動車産業はまだ「過冷却」の状況だ。中国汽車工業協会によれば、自動車メーカーの1~3月の利益は前年同期比95.5%も減少した。中国自動車市場は今年の下半期には新型コロナ流行前の水準に回復できるかもしれないが、「それでも上半期の損失を埋めるのは難しい」と陳氏は話す。
業界団体が排気量1600cc以下の減税要望
そんななか、消費者の自動車購入を促すために中央政府と地方政府がさまざまな優遇策を打ち出している。国務院常務会議は3月31日、電気自動車(EV)などの新エネルギー車を対象にした補助金と取得税免除を2022年まで2年間延長すると発表した。排ガス規制強化前の古いディーゼル・トラックの淘汰も進める。
この政策は新エネルギー車の普及にとって追い風だが、現在も生産販売の大半を占めているガソリン・エンジン車に関しては、政府の支援策がほとんどない。このため中国汽車工業協会は、排気量1600cc以下の小排気量車の取得税を減免するよう中央政府に要望した。
中国ではリーマンショック後の2009年、景気対策の一環として排気量1600cc以下の小排気量車の取得税を半分の5%に引き下げたことがある。効果はてきめんで、その後の自動車販売は前年比2桁の伸びが続いた。
(財新記者:劉雨錕)
※原文は4月10日配信
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