セブン&アイ、「業績未定」に込めた期待と不安

コロナ後見据え、ネットショッピングに曙光

海外コンビニ事業に次いで売り上げ規模が大きいスーパーストア事業では、イトーヨーカドーが食料品の需要を獲得している。だが、イトーヨーカドーの中でも大型店やショッピングセンター「アリオ」などの大型店は、人混みを回避する消費者心理を背景に苦戦。その結果、3月の既存店売上高は前年同月比で5.3%減となった。

百貨店のそごう・西武では、3月3日から全15店舗で営業時間を短縮。衣料品や化粧品といった不要不急の商品の売り上げも大幅に落ち込んだことで、3月の既存店売上高は前年同月比で33.4%も落ち込んだ。

緊急事態宣言の発令翌日の4月8日以降は、首都圏と兵庫県にある百貨店9店舗で食品以外の売り場を休業している。4月以降も厳しい状況が続きそうだ。

今期業績の見通しは示せず

ただ、2020年2月期の業績は総じて好調だった。売上高にあたる営業収益は、円高やガソリンの販売価格低下によるアメリカ・カナダでのセブン‐イレブンの減収とイトーヨーカ堂の減収が響き、前年同期比2.2%減の6兆6443億円となった。だが、営業利益は同3.1%増の4242億円と過去最高益で着地した。

利益を押し上げたのはセブン‐イレブンにおける採算向上だ。国内外の店舗でカウンター周りのファストフードなどの粗利率が改善されたことや、国内でCMなどの広告宣伝費を効率化したことが奏功した。一方、2021年2月期の業績予想は新型コロナウイルスの影響が読めないために「未定」とし、決算発表と同時に予定していた中期経営計画の発表も延期した。

井阪社長は「日々刻々と(新型コロナウイルスによる影響は)変化している。どういう状況になるか計り知れない」と述べた。

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