防衛記者クラブの「台所事情」何とも厳しい実態 不要不急の支出、財政破綻の危機を迎えていた

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年間100万円を超える赤字の中身とは? (写真:ABC/PIXTA)

4月9日号の『週刊新潮』で元産経新聞記者の高山正之氏はコラム「変見自在」において「フリーは記者か」と題した記事を寄稿し、記者クラブ記者こそが専門知識があり、フリーランスの記者は記者もどきで会見から締め出すべきだと主張している。そんな『週刊新潮』は記者クラブ会員ではない社員の記者、フリーランスの記者によって成り立っている。高山氏ご自身も今はフリーランスである。

日本の主要官公庁にはだいたい記者クラブがあり、新聞社、通信社、テレビ局などの大手を中心として限られた報道機関が加盟している。

例えば防衛省の場合でも、大臣、事務次官、各幕僚長の会見は、防衛記者会(クラブ)が主催している。記者クラブは任意団体で、町内会などと運営形態は実質的に同じと言っていい。記者クラブは会見、レクチャー、取材ツアーなどの取材機会を一手に握っており、記者クラブ非加盟の媒体やフリーランスがそこに入ることを制限しているケースが多い。

そんな防衛記者会が、財政破綻寸前に陥っているという情報をつかんだ。2018年9月の「防衛記者会の財政改革について」および、「防衛記者会財政改革の必要性について」という防衛省記者クラブ内部文書には以下の記述がある。

このペースでは数年以内に財政破綻

「現在、防衛記者会の預金残高は約230万円ありますが、昨年度決算は約105万円の赤字となっており、このペースでは数年以内に財政破綻に至ります(「防衛記者会の財政改革について」)」

「財政破綻する可能性 =(平成)29年度(2017年度)末の預金残高が約235万円=前年度末比約80万円の減少。 仮にこのペースで蓄えを減らし続ければ4年で財政破綻。毎年300万円のペースで赤字(防衛記者会財政改革の必要性について」)」

これに対して防衛記者会は対応策としてコピー機のリース先を変更したことによって110万円ほどの経費削減を行ったようだ。それでも、依然として年度決算が赤字を続ける可能性がある。一般的に適正とされる「預金額=年間支出額」(防衛記者会の場合は預金残高400万円程度)まで財政状態を改善する必要がある、としている。

その方策としては加盟全社へクラブ費値上げも視野に入れ、記者会経費で購読すべき新聞・雑誌の見直し、個人で負担すべき飲食についての収支改善を挙げて、8~10年程度で財政の健全化を図りたいとしている。

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