コロナ拡大「第2波」に警戒、中国で進む予防策

各地で厳しい検疫体制、経済活動も再開へ

広州白雲国際空港では機内で体温検査を実施する(筆者友人提供)

広東省では、海外からの入国者全員に対する14日間の隔離措置が実施され、4月1日時点の隔離者数が計6万8000人に上った。省都の広州市は白雲国際空港で人工知能(AI)検温システム126カ所を設置し、感染疑義者の早期発見に取り組んでいる。

また入国者に対するPCR検査を徹底的に実施し、専用車両による移動、地域コミュニティー(社区・住宅団地)、147のホテルでの隔離措置などをとっている。杭州市では隔離者の検温や経過観察をスマート腕時計で行い、接触感染を防ごうとしている。杭州電子科技大学が開発した同製品はセンサーとGPSを搭載し、遠距離で隔離者の体温や血圧、位置情報を観測することが可能となる。

杭州市では隔離者の検温や経過観察にスマート腕時計を使う(筆者友人提供)

中国政府は水際対策や国内感染対策に取り組むと同時に、経済活動の再開も促している。現在中国では大規模なイベントの実施が制限されるものの、感染の低リスク地域では工場や商業施設、公共施設の運営が徐々に回復している。

3月末時点で全国における工業部門企業の操業率は98.6%、従業員復帰率は89.9%に達し、新型コロナウイルス感染者が多い湖北省では4月1日時点で、企業再開率が93%、従業員復帰率が66%に達した。一方で製造業を支える自動車産業では新車需要の低迷により一部メーカーの稼働率は依然低く、自動車部品を生産する中小企業の再開率は76%にとどまっている。

打撃を受けた日系自動車メーカー

10年連続で新車市場世界一の中国では、2019年の新車販売台数が2017年のピーク時と比べて約300万台減少したものの、その規模は日本市場の約5倍にも相当する。現在グローバル自動車メーカーはこの巨大市場に販売の多くを依存しており、その中でも、ドイツ・VWとアメリカ・GMはそれぞれ世界販売台数に占める中国依存度が40%、26%に上り、ホンダと日産はいずれも25%を超えた。

新型コロナウイルスによる需要低迷を受け、トヨタ自動車は自動車全工場の7割を生産停止し、日産とホンダも相次いで国内外の工場で停止に踏み切っている。グローバルでの感染拡大が続けば、日米欧の新車需要の低迷が長期化する恐れがある。

それに対して中国における新型コロナウイルスの感染はすでにピークアウトし、かつ内需を中心とする新車市場への期待も次第に高まっている。しかし新型コロナウイルスの影響により、日本車の中国販売も大きな打撃を受けた。

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