「支援金が届かない」アメリカの思わぬ大混乱 巨額の経済対策も手続き手間取り実行遅れぎみ
SBAは取材に応じていない。ムニューシン長官は7日、議会に対し、中小企業からの需要が大きいため、2500億ドルの追加支援を可決するよう要請した。
トランプ政権高官の大半が、こうした問題を認めている。しかし一方で、市民や企業を賃料支払いや債務返済などの期日到来前に救済するという法案の趣旨は達成できるだろうと話す。
ムニューシン財務長官は7日、フォックス・ビジネス・ネットワークの番組で「大統領はこの資金を早く経済に注入しろと、われわれに指示した。(そうなることを)保証する」と述べ、財務省が航空業界のアドバイザーと会い、航空会社向け融資実現に「早急に取り組んでいる」と説明した。
トランプ氏は支援策を巡る問題はないと主張。4日の会見で、小規模企業向け融資プログラムでの問題は一切聞いていないとし、「それは嘘だ。予定より進んでいる」と述べた。
FRB頼み
FRBは、規模、スピード感ともに2008年の金融危機時以上の対応をしてきた。
しかし究極の救済措置として、4兆5000億ドルにまで増額する可能性のある中小企業、地方政府など向け資金支援プログラムについては、まだ準備段階だ。ムニューシン財務長官と同じく、FRB幹部らも詳細は「近々」と説明するにとどまっている。
そのプログラムが動きだすまでは、実体経済はあたかも一時停止動画のように、いつどのようなライフラインが到着するか待っている状態だ。
州や市といった地方自治体、その他政府機関は財政が厳しい。地方債市場では極度に高い金利を払わなければ資金調達できない。
地方自治体などの財務当局者で成るGFOA(Government Finance Officers Association)の政策ディレクター、エミリー・ブロック氏は、FRBが流通市場で買い上げてくれれば、新規発行の余地が生まれると説明。
「利回り押し下げに向け、FRBには他の投資家を納得させる知見ある投資家になってほしいと頼んでいる」と語った。
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