オペル、14年ぶりの日本再参入に勝算はあるか

知名度ゼロからの市場開拓には挑戦が必要だ

2000年にヤナセの手を離れ、日本ゼネラルモーターズ(当時)に輸入権が移管するとオペルの売れ行きは再び落ち、2006年に日本市場から撤退。それから14年を経て、いったいオペルはどのように日本市場でクルマを売っていくのだろう。

現在は、フランスのPSA傘下となっており、PSAで販売される各車と部品を共有する。日本導入に際しては、日本で販売されるPSA車と共有部品の多い車種から検討されることになる。

日本市場で狙う消費者は「ファミリーと女性」であると伝えられており、コンパクトカーの「コルサ」、ミニバンの「コンボライフ」、そしてSUVの「グランドランドX」となるようだ。

コンパクトハッチバックの「コルサ」。ピュアEVの展開も予定されている(写真:オペル)

コルサは、プジョー「208」に近いBセグメントのハッチバックである。コンボライフは昨年、日本でも販売が開始されたプジョー「リフター」やシトロエン「ベルランゴ」と基本コンポーネントを共有する。グランドランドXは、プジョー3008やDSクロスバックなどが兄弟車にあたる。

いずれの3車種も、ドイツ国内はもとより世界的な売れ筋といえる品揃えだ。同時に、当然ながら競合車も多い。激しい競争の中で、オペルはどのような販売を仕掛けていくのか。

ここから先は、筆者の仮説である。

オペルの本質で勝負せよ

すでに輸入車のなかから、オペルという選択肢が失われたなかで、どのようにその存在を知らしめるか。また、かつて他のドイツ車と同様に、上級志向の装備や価格で失敗した経験をどのように生かしていくかも、問われることになる

マルチパーパスワゴンの「コンボライフ」(写真:オペル)

一つのきっかけとなるのは、あえて輸入車との競合を考えるのではなく、日本車と真っ向勝負できる価格で参入することだろう。それは、冒頭で語ったオペルの歴史と、そこで培われた企業理念にも通じる。簡単に言えば、「大衆車としてのドイツ車の価値を訴求すること」だ。

それに際し、当然ながら装備の見直しが必要になるだろう。たとえば、カーナビは日本仕様としてお金をかけず、Apple CarPlayやAndroid Autoの活用に絞り込む。そしてスマートフォンを見やすい位置に取り付けられるダッシュボード形状とするか、スマートフォン接続を前提としたディスプレイを設置し、スマートフォンの置き場所を確保する。

カーナビを高度化すれば数十万円のコストとなるので、それを省く発想だ。スマートフォンなら、地図情報の更新も素早く、お金をかけずにできる。

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