なぜ「トヨタ×NTT提携」、実は「必然」な深い理由 豊田章男がねらう「GAFAとは異なる」対抗軸
スマートシティプラットフォームの構築
トヨタとNTTが目指すのは、「スマートシティプラットフォーム」の構築だ。移動はもちろん、水道や電気などの公共サービス、医療など、あらゆるインフラやサービスを効率化したスマートシティを支える社会基盤をつくる。MaaSより、さらに大きな概念だ。
トヨタは、2017年以降、NTT本体に加え、NTTデータ、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズと、コネクティッドカー分野での技術開発・技術検証およびそれらの標準化を目的として、共同で研究開発を進めてきた。今回、2000億円の相互出資という資本提携にまで踏み込んだのは、スマートシティプラットフォームという大きな構想に、時間をかけてじっくり取り組むという互いのコミットメントと見ることができる。
NTTは、昨年、新ネットワーク構想の「IOWN(アイオン=Innovative Optical & Wireless Network)構想」を掲げた。
5G(第5世代移動通信システム)の先にある次世代コミュニケーション基盤で、2030年代の実現を目指す。2020年春にもアメリカのインテル、ソニーと「IOWNグローバルフォーラム」を設立予定で、アメリカのマイクロソフトやベライゾン、台湾の中華電信など約120社が参加検討中という。
「トヨタもIOWNグローバルフォーラムに入っていただく動きで、新しい研究も両社でやれるものをやっていきたい」
と、会見の席上、NTT社長の澤田純氏は述べた。
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