「医療用手袋」最大生産国マレーシアの緊迫

ロックダウンで生産に大きな影響が出ている

新型コロナウイルスとの闘いには、使い捨てのゴム手袋が必須だ。しかし、世界生産の5分の3を担うマレーシアでロックダウン(封鎖)が実施され、世界中の病院でゴム手袋が不足する恐れが生じている。写真はクアラルンプールにある手袋の生産ライン。2009年6月25日撮影(2020年 ロイター/Bazuki Muhammad)

[クアラルンプール 25日 ロイター] - 新型コロナウイルスとの闘いには、使い捨てのゴム手袋が必須だ。しかし、世界生産の5分の3を担うマレーシアでロックダウン(封鎖)が実施され、世界中の病院でゴム手袋が不足する恐れが生じている。

世界最大の医療用手袋メーカーである同国のトップ・グローブ・コープ<TPGC.KL>は、1日当たり2億枚の生産能力がある。しかし、下請け業者の閉鎖により、手袋を梱包して出荷するための梱包箱の在庫が、残り2週間分に減ってしまった。

リム・ウィー・チャイ会長は「カートンがなければ手袋を病院に送れない。病院はわが社の手袋を必要としている。わが社は病院に必要な分量の50%を供給できない」と話す。

業界団体はフル操業に戻してほしいと訴え

マレーシア政府は新型コロナの感染拡大を防ぐため、18日から4月14日まで約1カ月間のロックダウンを発表し、国民に外出を禁じた。手袋メーカーなど一部の業種では、厳密な安全基準を満たせば半分の人員による操業が認められるが、マレーシア手袋製造協会(MARGMA)は、業界をフル操業に戻してほしいと当局に訴え続けている状態だ。

梱包材メーカー、エトス・インプリント・テクノロジーのマネジングディレクター、エボンナ・リム氏は「当社は閉鎖されている。当社はロックダウンを免除される業種だが、それでも(操業には)承認が必要になる」と話した。

ニューヨーク大医学部の感染症専門家、セリーヌ・ガウンダー氏は、新型コロナ患者が増えたため、毎日、通常の6倍の枚数の手袋を使っていると説明。「手袋が不足すれば、血液を安全に採取できないため深刻な問題が生じる。多くの医療処置を安全に行えない」と言う。

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