「医療用手袋」最大生産国マレーシアの緊迫 ロックダウンで生産に大きな影響が出ている
米食品医薬品局(FDA)はウェブサイトで、一部の手袋は保存可能期間を過ぎても使えるとの見解を示した。米政府は24日、強制労働問題を理由に輸入を禁止していたマレーシアのある手袋メーカーへの措置を解除した。
英保健・社会福祉省は、マレーシアの省庁に対し「COVID―19(新型コロナウイルス感染症)との闘いに必要不可欠な」手袋の生産・出荷を優先するよう訴えた。手袋メーカー、スーパーマックス<SUPM.KL>宛ての20日付の書簡をロイターが確認した。
MARGMAのデニス・ロー会長は「需要が極めて大きい」ため、配給制を検討していると説明。「手袋は最大限に生産できるが、梱包するものがない」と述べた。
トップ・グローブ社は通常、自社製手袋の梱包の40%未満を自社でまかない、残りはサプライヤーに頼っている。しかし、サプライヤーのうち、人員半減態勢での操業を認められているのは、わずか23%だという。
政府へのロビー活動はほぼ1時間に1度
「ほぼ1時間に1度は政府にロビー活動を行っており、省に何通も書簡を送った。化学メーカーらが承認を得られるよう懸命に働きかけているし、この産業を支える印刷業者その他の事業、それこそ輸送に至るまで、当局の承認を確保したい」
MARGMAは声明で、ロックダウン中は、半分の許可人員に残業させることに頼らざるを得ず、コストが最大30%上昇するが、購入先はそれを負担することに同意しているとした。
マレーシア貿易産業省は24日、ロックダウン中の操業について大量の申請を受け取っており、必需品を生産している企業を優先するよう産業界に協力を求めていると説明した。
先進諸国全体の人口は世界の5分の1だが、医療基準が厳格なため、医療用手袋の需要では7割近くを占める。MARGMAの最新データによると、米国の1人当たりの手袋消費枚数は150枚と、中国の20倍だ。
MARGMAは、今年の手袋需要は16%増の3450億枚に達し、マレーシアの世界シェアは2%ポイント上がって65%になると予想している。現在、シェア第2位はタイの約18%、3位は中国の9%だ。
(Liz Lee Krishna N. Das)
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