コロナ大打撃で露呈した百貨店ビジネスの岐路 訪日客依存の終焉、今後必要な改革は何か?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

上記のような百貨店改革の話をすると「無謀です」とのコメントが返ってくることも多いのですが、できないと思えばそこで止まるか下がってしまいます。目標を設定し、完遂への強い意思を持ち、やる気を出し、知恵と力を出し、実行に向けてのアクションが必要なのです。

結果として自力・自立の経営が必要

百貨店業界の業界規模としては6兆円を割り、下落に歯止めがかかりません。直近のピークでもある9兆円強まで戻そうと考えますと、各店がまずは過去の売り上げのピーク時まで戻す目標を持つ事が重要なのです。

過去のピーク時はそのときの自店のお客様のニーズに合った商品や売場構築、接客・サービスで対応できていたのです。それは、経済環境や消費税率が違うなどは何ら関係ありません。そういう百貨店は自力的ではなく、追い風(インバウンドを含む)だから売り上げが取れ、向かい風だから売り上げが低迷している(天候要因を含め)といった他力的な経営をしているのであり、自力・自立の経営をする必要があるのです。

よって、各店の現在や未来のお客様のニーズに合わせられれば、売り上げを戻すことができるのです。これからは、よりいっそう経済環境に適合した経営戦略を取るべきといえます。百貨店業でなくても、売り上げや利益を生む手段はほかに数多く存在します。しかし、まずは自社のメイン業態(既存事業)での活性化が不可欠でしょう。

売場(ECの画面にも、カタログの紙面にも)以外にはヒントとマネーが落ちていません。つねに現場でヒントや気づきを見つける知力と、それを拾う体力を身につける事が企業を維持向上させていく重要なファクターなのです。

コロナショックの状況下で、現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを再構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化します。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。ぜひとも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念いたします。

生地 雅之 オチマーケティングオフィス代表
おち まさゆき / Masayuki Ochi

1952年生まれ。龍谷大学法学部卒業。総合アパレル企業の商品企画生産、ブランド開発、マーケティングなどを担当。取締役営業責任者を経て、2003年9月にオチマーケティングオフィス設立。小売り・アパレル等の経営コンサルティングを経営戦略から実施し、企画、営業、販売の現場を中心に営業利益の改革・改善を提案している。公式HPはこちら​。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事