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学費のためパパ活までした16歳が語った"絶望" 家庭内DVと親の離婚・再婚を経た少女の決意

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  • 大塚 玲子 ノンフィクションライター
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ずっと元気よく話していたゆきさんでしたが、ふいにトーンが落ちました。目線が揺れ、痛みが伝わってきます。

私がこんな思いまでして頑張ってきたのに、あっさりと「私立も考えています」って――。父親は、ゆきさんがどれほど頑張っても、どんなに嫌な思いをしても、ちっとも気づいてくれないのです。

高校をやめて、これからは通信制か高認か

夏休みが明けて9月になり、ゆきさんは高校に行かなくなりました。家出をして、東京に住む友人のもとへ行ったり、ときには元カレと過ごしたり。

この取材の応募メッセージを送ってくれたのは、秋が終わる頃でした。

年が明けて、ゆきさんの考えは、以前とは少し変わってきたといいます。

「姉やいとこを連れて幸せな家庭を築きたいと思って頑張ってきたんですけど。いま思うと、私が過去に失ったものを取り戻したいと思っていただけで、家族が元に戻るわけじゃない。

それに、いまは小学生のいとこも、そのうち自分で自分の幸せを探しに行くだろうし。そのときにサポートにまわってあげるのはいいけれど、私がいとこを連れて家族をつくろうというのは、勝手な思い上がりとも取れるなって自分で思って」

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それなら仕事は必ずしも薬剤師でなくてもいいし、いまの高校に無理に通う必要もない。通信制の高校に入り直してもいいし、高認(高等学校卒業程度認定試験)を受けて大学に進学してもいい。そんなふうにいろいろな可能性を考えた結果、冒頭の「今日、高校をやめてきたんです」に至ったのでした。

ゆきさんはどんな将来を描くときも、必ず「子どもを幸せにする」ことを前提に話します。「子どもが生まれたら、子どもの可能性を潰さないようにできる限りのことをしてあげるのが親の務め」と考えており、万一離婚となったときも、子どもには不自由をさせないよう、自分も経済力をもっておきたいと考えているのです。

親の離婚や再婚で苦労した子のなかには、そこら辺の大人の500倍くらい「子どもの人生」を考えている人がときどきいるのですが、ゆきさんもその1人でした。

これから彼女はどんな道を進むのか? 話を聞く限り継母も悪い人ではなさそうですし、父親との関係も多少は落ち着いてきた印象です。どん底の時期は過ぎたのかもしれません。でももし、また何か迷ったりしたときは、連絡してくれたらと思います。

当連載では、さまざまな環境で育った子どもの立場の方の話をお聞きしています(これまでの例)。詳細は個別に取材させていただきますので、こちらのフォームよりご連絡ください。

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