コロナ対策「10万円給付」案が検討されるわけ リーマンショック時を凌駕する総額12兆円に

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ただ、安倍首相は経済対策の考え方として「前例にとらわれた対応では、前例なき危機に対応できない」という言葉を繰り返しており、それが財務省との駆け引き材料として使われている。安倍首相は消費減税の可能性を排除しておらず、集中ヒアリングを終えたギリギリのタイミングで消費減税案を取り下げる代わりに、巨額な経済対策案を財務省から引き出す狙いがある。

そこで、消費減税に代わる経済対策案の目玉として浮上したのが、財務省自身も否定しない現金給付案というわけだ。目下の議論では、リーマンショック後の2009年4月の経済対策で配った1人当たり1.2万円(子どもと高齢者は2万円)を大幅に上回るのは確実。最大で国民1人当たり10万円とする案が出ている。

リーマン時に匹敵する12兆円規模の対策

仮に1人当たり10万円となると、総額は約12兆円に膨れあがる。現金給付のメニューだけでリーマンショック後に打った経済対策の財政支出15.4兆円に匹敵する規模だ。さらに、新型コロナウイルス収束の先行きが見えず、内閣支持率の低下を避けたい安倍政権としては、10万円というわかりやすい数字を国民向けのアピール材料にしたいのでは、との憶測も広がる。

安倍首相の電話会談相手であるアメリカのトランプ大統領が3月中旬、1人当たり1200ドル(子どもは500ドル)の現金給付案を打ち出したことが、日本のコロナ経済対策案に微妙な影響を与えている。

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