「経済的な死者」の急増を阻止する対策が必要だ 政府の新型コロナ経済対策はどうあるべきか

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企業の経済活動の停止により失業者が増えれば、深刻な事態になる(写真:ロイター/Issei Kato)

売上高の大幅な減少には補填も必要だ

重要なことは倒産、失業の増加を防ぐことであり、そのためには新型コロナウィルスの影響で消失した企業の売上高を政府が補填することに踏み込むべきだ。業種を限定したうえで、売上高が一定以上減少している企業や個人事業主に対して、雇用の維持を条件として、失われた売上高の相当部分(たとえば8割)に対して返済不要の資金提供を行えば、倒産や失業の急増に歯止めをかけることができるだろう。

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この政策を実行するためには、数十兆円単位の財政出動が必要となるかもしれないが、危機の際に巨額の借金ができるのは政府だけだ。この金額は政府による自粛要請によって本来は自由であるべき経済活動を制限したことによる損失額と割り切るしかない。

新型コロナウィルス感染症対策もそれに対応する経済対策も可能なかぎり死者を減らすことを最優先とすべきだ。

斎藤 太郎 ニッセイ基礎研究所 経済調査部長

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さいとう たろう / Taro Saito

1992年京都大学教育学部卒、日本生命保険相互会社入社、96年からニッセイ基礎研究所、2019年より現職、専門は日本経済予測。日本経済研究センターが実施している「ESPフォーキャスト調査」では2020年を含め過去8回、予測的中率の高い優秀フォーキャスターに選ばれている。また、特に労働市場の分析には力を入れており、定評がある。

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