「新型コロナ暴落」で個人投資家が取るべき行動 「過去の暴落とは別物」と見なすべきなのか

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今回の救いのひとつは配当利回りだ。株価が1カ月前には予想もしなかったレベルに下がった結果、東証1部全銘柄の配当利回り加重平均で3%を超えた。4%を超える配当利回りの優良株も多くある。

つまり、5年の期間で考えれば、4%の配当がもらえる優良株は、配当が変わらないとすればだが、さらに(4%×5年=)20%下がっても、事実上実損はないということだ。筆者は、箪笥の引き出しからマネーを出して投資資金に継ぎ足すタイミングではないかと思う。

政策の効果が出るのは意外に早いかもしれない

もちろん、新型コロナの影響で減配なしとは言えず、すべての銘柄にあてはまるわけではない。だが、ここからもう大きく売られる可能性は少ないと見る。

昨年3月の日経平均株価の配当落ちは180円ほどだった。今週はその配当の権利が付いている最終週だ(3月末が権利確定日なら、最終日は27日)。今、価格を下げているのは株式や原油先物だけではない。安全資産とされていた金先物や債券先物も下げている。パニック状態の中で、今多くの投資家は先を争って現金化を急いでいる。同じことをやっていて良いのだろうか。

日米の対策の比較をしたが、例えば、イギリスは当面、レストラン、パブ、ジム、映画館その他全ての事務所の閉鎖を命じ、その間の従業員の賃金の80%を政府が肩代わりするという。

このように、次々に新しい政策が繰り出され、個人の人権が強い自由主義国家では難しいと思われていた都市封鎖や、戦時中のような戒厳令的行動制限が容認され、世界的に危機意識が共有された。結果が出るのは意外に早いのではないか。

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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