ベルガード「倒産8年」社員5人で甦った古豪の技

原動力はMLB選手と国内企業とのコラボ

「ベルガード製防具」を愛用するロビンソン・カノ選手(画像提供:ベルガードファクトリージャパン)

3月4日、東京・新宿高島屋(ウェルビーフィールド内)に「AXF(アクセフ) TOKYO」という名前のスポーツショップがプレオープンした。取材時は、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で客足は少なかったが、状況を見据えて、4月に本開業を予定しているという。

店の運営は、岐阜県岐阜市に本社があるサンフォードだ。店内には有名スポーツ選手が身につける機能性商品「AXF」や、野球用品「AXF×Belgard」(アクセフベルガード)も置かれている。6日には、埼玉県越谷市に本社を置くスポーツ用品メーカー、ベルガードファクトリージャパンの永井和人社長も店を訪れた。

自社商品のバランス機能性を説明する永井和人社長(筆者撮影)

野球用品を中心とするベルガードには近年、メディアも注目する。従業員はわずか5人で、本社は埼玉県の町工場のような外観。それもあって、多くのメディアは後述する実績との意外性を報じる。

だが、今回の趣旨は違う。この小さな会社には、生き残りや変身への参考事例が多いのだ。

MLBのスター選手が多数愛用する

ベルガードの主力は野球用品。とくに捕手が着けるマスク、プロテクター、レガースや、打者が手足につけるアームガード、フットガードといった「防具」に定評があり、MLB(アメリカ大リーグ)選手の多くが愛用する。

「新型コロナウイルスの影響で、MLB開幕も延期となりましたが、当社の防具はメジャー30球団のうち、9球団の4番打者(経験者)が使っています。最も有名なのはニューヨーク・メッツのロビンソン・カノ選手。MLB通算2500安打と300本塁打を記録した大物です。ほかには、同僚のヨエニス・セスペデス選手や、ニューヨーク・ヤンキースのジャンカルロ・スタントン選手、今年から東京ヤクルトスワローズに入団した、アルシデス・エスコバー選手(元カンザスシティ・ロイヤルズ)もいます」(永井氏)

なぜ、小規模の会社が有名選手と付き合えるのか。それは永井氏の人脈が発端だった。

「もともとは十数年前、日本人の知人がシアトル・マリナーズのチームトレーナーでした。彼を通じて当時の3番打者、4番打者が使うようになり、その後、別のチームに移っても使い続け、ほかの選手に口コミで広がったのです」(同)

次ページ人気選手のSNS発信が広告効果に
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 岐路に立つ日本の財政
  • CSR企業総覧
トレンドライブラリーAD
人気の動画
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
レヴォーグ1強に見た和製ワゴンの残念な衰退
ウーバーイーツ配達員の過酷
ウーバーイーツ配達員の過酷
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
飲食業界、失敗する店と成功する店の決定的な差
飲食業界、失敗する店と成功する店の決定的な差
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
統合から20年どこでつまずい<br>たのか みずほ 解けない呪縛

みずほ銀行が相次ぐシステム障害で窮地に陥っています。その根底には、3行統合から今に至るまで解決できていない呪縛と宿痾が。本特集ではみずほが抱える問題点をガバナンス面や営業面などから総ざらい。みずほは立ち直ることができるのでしょうか。

東洋経済education×ICT