イタリア、先進国なのに「医療崩壊」寸前な理由 普通の病院が「トリアージ」病棟になっている

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一般の医師が、突然に戦時体制にシフトしている。手術がキャンセルされ、人工呼吸器が不足する中、医師らはトリアージの問題に直面している。病院では、空気で膨らませるタイプのテントを、感染症用に地上に設置している。ロンバルディア州のブレシアでは、病院のホールに患者が収容されている。

ロンバルディア州最大規模の病院の1つ、ミラノのニグアルダ病院で感染症治療の責任者を務めるマッシモ・プオーティは「これは戦争だ」と言う。ロンバルディア州はイタリア北部にあり、新型コロナウイルス感染症がイタリアで最も多く発生している場所だ。

医療現場は限界を迎えている

プオーティは、感染を広げず、病気の蔓延を抑えて、ウイルスの性質を知ることを目指しており、そのためには「時間が必要だ」と言う。

イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は3月9日、国民の外出禁止措置を発表した際に「イタリアの制度は、健康を保障し、誰もが治療を受ける権利を保障するものだ」と述べた。

イタリアの公衆衛生の専門家によると、イタリアの医療制度は現在のところ、大きな困難に直面してはいるものの、持ちこたえているという。何千という検査や、緊急治療室での措置や、集中治療室での治療もすべて無料で提供されており、イタリアの民主主義の中心的な部分が維持されている。

しかし、この感染症と闘う医療の現場が、困難を抱えている様子も見えてきた。3月12日には、ロンバルディア州が情報発信を集中化し、医師や看護師らによる発信を抑制しているように思われるが、それ以前から情報は伝わってきていた。

看護師のエレナ・パリアリーニは、10時間ぶっ続けで働いた後、病院でマスクを着けたまま机に倒れ込んだ。その様子を写した写真は、限界を超えている医療システムを象徴するものとなった。

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