国に先駆ける地方自治体の「事業仕分け」、ムダ削減・役所の体質改善に実感も

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 今回の国の事業仕分けでは対象となった447事業(2事業追加し最終的に449事業)の選定過程や仕分け人の選定に関して批判が集まった。これらの点については、地方自治体でも頭を悩ませているようだが、やり方はさまざまで意見も分かれている。

対象事業について、東京都町田市では「対象は経常事業のみ、全部局から2つ以上、事業費の大きいもの」(石阪丈一市長)を選定、神奈川県厚木市も「費用対効果などを考慮し、各部からリストアップ」(小林常良市長)というように、役所内の担当部局から吸い上げるというやり方をとるところがある。一方、埼玉県富士見市では、外部有識者で構成する「民と官の連携による公共サービス改革検討委員会」が対象事業を選定している。

ある市長は、「前任者のしがらみのある事業を含めることもありうる」と話す。表立って予算を切ることは難しいが、事業仕分けの中に紛れ込ませて第三者に切ってもらえば……、という思惑も見え隠れする。

仕分け人については、外部有識者のほか、すでに事業仕分けを経験している他の自治体職員というケースが目立つ。構想日本の加藤代表によると、「事業仕分けには専門的な知識も必要で、誰にでもできるものではない」のだという。そういう点では、役所の仕事の中身、進め方、性格などを熟知している同業者は適任なのかもしれない。

その一方で、無作為で抽出した一般市民1000人の中から希望者を募り、最終的に選ばれた50人が市民判定人として、仕分けの判定を行った富士見市のように、市民参加を進めるところも出てきた。

国の事業仕分けでは、対象449事業のうち無傷だったのはわずか15事業で、残りは軒並み「廃止」「予算縮減」「見直し」が宣告された。自治体の場合も同様で、厚木市でも3回の仕分けで実施した86事業のうち「廃止が12、見直しが67」。また80事業を仕分けした神奈川県小田原市では「24件が不要と判定」(加藤憲一市長)されるなど、厳しい結果は避けられない。

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