例えば高松市にあるスーパーは、関係者が感染したというデマがインターネット上に書き込まれるという被害に遭った。「会長夫妻がダイヤモンド・プリンセス号を下りて香川県に戻ってきたところ感染が確認された」などのデマが出回った結果、系列の7店のうち6店では前年比で1割売り上げが上がったのに対して、デマを流された店舗だけは10〜15%ほど売り上げ減となったという。
執筆時現在、福井県では感染者が1人も出ていない(補足:3月17日、コロナウイルスに1人が感染したことが発覚)が、「福井でも10数人、感染者いらっしゃるらしいです」などのデマがTwitterなどで飛び交っている。
26~27度のお湯を飲んでも予防できない
2月末から3月に入った頃には、新型コロナウイルスを防ぐ方法や、「トイレットペーパーが不足する」などのデマが広まり始める。人々の希望と不安が形になったものと言えるのではないか。
例えば、「コロナウイルスは熱に弱いので、26~27度のお湯を飲めば予防になる」というデマを見かけた人もいるだろう。「武漢のコロナウイルス研究者が主張している」などの情報も添えられていたが、体温以下の温度で死滅するウイルスが流行するはずはなく、完全なデマ。
「本気で信じてお湯を飲みまくったり、部屋に暖房を入れたりしたのに……」と、ある30代の主婦は肩を落とす。「ママ友から連絡がきたから信じてしまった。クラスのLINEグループでシェアされて、周りのママ友もみんな信じていた」という。
「花崗岩が発する放射線が免疫力を高め、コロナウイルス予防になる」というデマも流行した。このときは、メルカリで河原で拾った花崗岩が多数出品され、中には3000円弱で売れているものもあった。
このようなデマは国内だけではなく、世界中で広がっている。例えば、ユニセフの情報として「アイスクリームなどの冷たいものを避けると感染しづらくなる」というデマが数カ国で出回ったという。チュニジアでは、「感染防止にニンニクが有効」というデマが広がった結果、ニンニクの値段が高騰しているそうだ。
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