レクサス初の電気自動車は、何がどう違うのか 日本では2021年前半の発売を予定している

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UX300eの二次電池は車体中央から後輪サスペンションの軸間部分に搭載される。また、重心位置はUXよりも低く抑えられ、カーブ時の車体傾きやサスペンションの動きを左右するロールセンター位置は、車体傾きを抑えるために上方へ移行させた。

よって、カーブに入った瞬間から終始、車体の傾きがグッと抑えられた安定した走りを見せる。試乗現場に居合わせた技術者によれば、「プラットフォーム(車体の土台)はUXと同じGA-C型を採用しつつ、車体下部を補強して同時にサスペンションの取り付け部分の剛性も向上させた」という。

加速フィールはどうか? 使い古されたフレーズながら、BEVの特徴として“鋭い加速”をイメージする読者も多いことだろう。確かに電動モーターの得意とする出力特性を前面に押し出し、初速からドンで前に出るBEVは今でも少なくない。

しかしUX300eの場合、日常領域で多用するアクセルペダルの開度にして30%以下の領域ではややおとなしい印象を受ける。これには「1800kg台後半」(開発者談)に及ぶ車両重量も少なからず関係しているようだ。

低速域での使い勝手は好ましい

この特性をもう少し具体的にみていくと、アクセルペダルの踏み方に同調することに主眼が置かれているのか、速度にして20㎞/hあたりまでの領域ではおとなしい加速に終始する。しかし、こうした特性は低速域での使い勝手からすれば好ましく、駐車場でのちょっとした移動や渋滞時などはかえってこうした特性のほうが気疲れしない、と筆者は感じる。

実際、筆者はBEVの試乗を行う際、ドライブモードが変更できるときには、アクセル操作に対して加速力がおとなしくなる(≒反応が緩やかになる)「エコモード」なるものを選ぶ。とはいえ、UX300eが遅いわけではない。じんわり踏み込んだアクセルペダルの開度を50%程度まで深くしていくと、今度は車体が一回り軽くなったようにぐんぐん速度をのせていく。

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