2度目のコロナ会見、安倍首相は何を語ったか 緊急事態宣言に慎重だが、時限的消費減税も

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会見終了後、安倍首相は都内の私邸に帰り、その後の来客もなかった。前回の会見後の対応と同じで、与党内から「予定がないのならもっと質疑を続けるべきだった」(閣僚経験者)との苦言も出た。野党側は「国民の不安に誠実に向き合う姿勢がない」とそろって批判した。

安倍首相の会見内容は情緒的な表現が目立った。例えば、中止が決まった選抜高校野球については「(出場予定だった)皆さんの悔しい気持ちは察するに余りある」と目を伏せた。卒業式シーズンに一斉休校を要請したことについては、「大切な時期に休みとしたことは大変申し訳ない」としつつ、「今後予定される卒業式は、安全面の工夫を行ったうえでぜひ実施していただきたい」と各校の自主的対応を訴えた。

リーマンショックを超えるとみられている経済全般への悪影響について、安倍首相は会見メモを棒読みしたうえで、必要とされる経済財政政策について「間髪を入れず」「一気呵成に」「これまでにない発想で」などと強い修飾語を連ねた。

「時限的消費減税」の可能性も

さらに、自民党内に浮上している消費税の引き下げ論については「消費税引き上げは全世代型社会保障制度への転換のための必要な措置」と表向きは否定。ただ、「何をすべきかについては、さまざまな可能性を想定しながら講じていきたい」とし、時限的消費税減税を実施する可能性をにじませた。

危機対応の経済政策については、政府与党内で20兆~30兆円規模の超大型補正予算を組む構想が浮上している。消費税減税も有力なカードとなる。ただ、「3月下旬の2020年度予算成立まで政府はいっさい言及できない」(自民幹部)ことから、安倍首相も具体策に踏み込むことは避けたとみられる。

質疑では東京五輪開催問題も取り上げられた。「予定どおり開催できると考えているのか」「延期、規模縮小、中止の可能性はあるのか」「決断のタイムリミットはいつか」と畳みかけられた安倍首相は、「私自身26日に福島を訪れて聖火リレーのスタートに立ち会わせていただきたい」とまずは笑顔で応答。

国際オリンピック委員会(IOC)、世界保健機関(WHO)との連携緊密化を強調したうえで「とにかくこの感染拡大を乗り越えて無事予定どおり開催したい」と中止や延期を否定した。

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