三菱重工、「次の稼ぎ頭」づくりへ生みの苦しみ

頼みの綱「スペースジェット」は納入延期6回

スペースジェットは納入延期を6度も繰り返している(写真:三菱航空機)
財閥草創期から三菱グループの中核企業であり続けてきた三菱重工業が苦しんでいる。
次世代の稼ぎ頭として長年開発に取り組んでいる小型旅客機「三菱スペースジェット」が大苦戦。納入延期は6度に及び、納入は2021年度以降に先送りされている。これまでにかかった開発費は8000億円を超える。
三菱重工の現在の稼ぎ頭は火力発電用のタービン。日立製作所との合弁で発足した三菱日立パワーシステムズは大型タービンで世界トップシェアを誇り、高効率ガスタービンの拡販で足元は好調だが、地球温暖化対策の進展で今後の見通しは明るくない。
事業変革のとば口に立つ三菱重工の今後について、2020年4月に就任1年を迎える泉澤清次社長に聞いた。『週刊東洋経済』3月16日発売号は「三菱 150年目の名門財閥」を特集。創立150年目を迎えた三菱グループの潜在力と山積する課題を徹底取材した。

移動に関するニーズは消えない

――スペースジェットは延期続きです。

特定のプロジェクトで経営がどうなるかというようなことは考えていない。スペースジェット一本足打法でやっていこうというつもりはない。

人の行動範囲が広がるという意味でのモビリティを考えていきたい。三菱重工には近距離での鉄道システムもあるし、航空分野ではエンジンなどの重要な部品も供給している。

人が動くということに対するニーズは消えない。われわれの持っている技術を組み合わせることで、いろいろなものがでてくる。例えば、空飛ぶタクシーなんて発想は面白いと思う。鉄道ダイヤのような、安全に関するシステムと組み合わせたら可能性としては面白いと思う。

――2019年末に南アフリカの火力発電所の損失をめぐり、日立製作所と和解しました。その結果、日立との合弁会社「三菱日立パワーシステムズ」を完全子会社化することになりました。

今までは(日立が出資していたので)三菱重工本体との連携でやりづらい部分があった。それがなくなるので、これまで日立本体と競合する部分での連携がやりやすくなる部分はある。

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