新型コロナ、国際列車が運ぶ「地続き」欧州の危機 イタリア大幅減便、各国でキャンセル無料に

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国際列車のうち、英国と欧州大陸を結ぶ「ユーロスター」は3月10日現在、とくに運行スケジュールの変更などは行っておらず、払い戻しも規定どおりとなっている。

一方で、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツを結ぶ高速列車「タリス」は、3月初旬まで正常に運行されていたが、新型コロナウイルスの影響による利用者の減少を受けて減便している。これまでも中国および韓国に居住している人については手数料なしでキャンセルに応じていたが、3月10日以降は居住国に関係なく認めることになった。

大陸での移動制限の難しさ

中国に端を発し、当初はアジアで広がりを見せた新型コロナウイルスだが、欧州大陸へ持ち込まれて以降、爆発的な広がりを見せている。日本のような島国の場合、外国からの移動手段が空路と海路に限られるため、政府の対応次第で速やかに遮断することが可能となり、拡散をある程度は抑制することは可能である。

しかし、国同士が地続きなうえ、各国での対応がバラバラとなっている欧州大陸の場合、陸路を完全に封鎖することは不可能に近く、今回のコロナウイルス騒動によって、拡散を食い止めることの難しさが露見した。実際、鉄道だけを見ても、これだけ感染者が出ている状況でもとくに制限なく国際間・地域間の移動ができてしまうエリアがある。

今はただ、事態が収束へ向けて進んでくれることを祈るばかりだが、今後EU域内、とりわけ出入国審査なしで自由に国を行き来できるシェンゲン協定加盟国内で同様の問題が発生した際、各国とも対応を再検討する必要があるのではないだろうか。

橋爪 智之 欧州鉄道フォトライター

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はしづめ ともゆき / Tomoyuki Hashizume

1973年東京都生まれ。日本旅行作家協会 (JTWO)会員。主な寄稿先はダイヤモンド・ビッグ社、鉄道ジャーナル社(連載中)など。現在はチェコ共和国プラハ在住。

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