復旧を阻む険しさ、箱根登山鉄道の「台風被害」 橋桁が流出、今後の被災防ぐ対策も課題

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台風被害を受けた大沢橋梁付近。大平台隧道上部の沢から流れ落ちてきた大量の岩石により橋梁の一部が埋まっている状況だ(写真:箱根登山鉄道)

東日本に甚大な被害をもたらした台風19号の直撃から1カ月。箱根登山鉄道は、箱根湯本駅―強羅駅間が今も不通となっており、復旧のメドが立っていない。

実際、どのような被害状況なのか、また復旧に向けてどのような対策が検討されているのか、同社総務部課長代理の菅原隆氏と、鉄道部の土木担当者に話を聞いた。(復旧状況などは、取材した11月11日時点)

大量の岩石で埋まった橋

箱根湯本―強羅間では、全線にわたって倒木等の被害が発生しているが、とくに大きな被害が発生しているのは、大平台駅―仙人台信号場間に位置する「大平台隧道」「大沢橋梁」と、宮ノ下駅―小涌谷駅間の「蛇骨陸橋」「小涌谷踏切」の4カ所だという。被害の状況を具体的に見ていくことにする。

台風前の大沢橋梁付近。台風後の写真と比べると被害の甚大さがわかる(写真:箱根登山鉄道)

まず、大平台駅を出発した強羅行き電車が上大平台信号場でスイッチバックし、大平台隧道をくぐった先に架かる大沢橋梁は、「隧道上部の沢から流れ落ちてきた大量の岩石により橋梁の一部が埋まっている状況」(菅原氏)だ。

橋脚や橋桁など橋梁自体には、目視する限り大きな被害が発生しているようには見えないが、「これだけの量の岩石が橋梁上に流入したということは、かなりの圧力がかかったはずだ。橋桁に歪みなどが発生している可能性があるため、まずは岩石を除去し、橋の健全性を確認しなければならない」(土木担当者)という。

また、大沢橋梁に積み上がった岩石によって水の流れが変わった影響で、大平台隧道内に大量の水が流入し、レール下のバラスト(砂利)が流された。

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