「AI運行バス」は社会の隙間を埋められるのか

横須賀の実証実験で乗ってわかった利便性

NTTドコモと未来シェアの共同開発で生まれたAI運行バス。AIが配車を行うのが特徴(筆者撮影)

2020年2月下旬、京浜急行「汐入」駅に降り立った。数分も歩けば横須賀の有名な観光スポット「どぶ板通り」があるものの、汐入駅の周りは閑散としている。よくある地方都市の小さな駅前といった雰囲気だ。

ここに来た目的は、「AI運行バス」を体験するためだ。NTTドコモと京浜急行電鉄は、2019年12月9日から2020年2月24日にかけて、横須賀市で「AI運行バス」の実証実験を実施した。その運行期間の終盤に現地を訪れることができたのだ。

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「AI運行バス」は、NTTドコモが開発するオンデマンドの乗合交通だ。AIとあるが、クルマの運転は二種免許を持つ人間が行う。乗降場所は決まっているものの、走行ルートは不定。つまり、AIがニーズに合わせて膨大なルート候補の中から、ベストな乗降場所を瞬時に計算するのが、このシステムの売りだ。

不特定多数の乗客が停留所から乗るという意味ではバスに近いが、走行ルートが不定で必要なときに呼ぶというシステムは、タクシーに近い。路線バスとタクシーの間のサービスと言えるだろう。

路線バスよりも低コストで運用が可能で、利用者はタクシーよりも安く利用できる。交通サービスを提供する企業にとっても、利用する一般の人にとっても、両方にメリットがあるのだ。

2017年後半から全国19カ所で実証実験が行われており、すでに25万人を超える運送実績を達成。いくつかの都市では、ほぼ実用化と呼べる常時運用が行われているという。 “実証実験”から“普及”にフェーズを移そうという次世代モビリティが、AI運行バスなのだ。

スマホで乗降ポイントを決めて予約する

汐入駅前にてNTTドコモの担当者の槇島章人氏と落ち合い、さっそく「AI運行バス」に乗ることになった。

AI運行バス利用者アプリ。配車だけでなく、最寄店の広告やポイントサービスなどの表示もある(筆者撮影)

スマートフォンのアプリで、乗車地と降車地、乗車人数、希望乗車時刻(今すぐ、10分後、1時間後、時刻指定などが選べる)を入力して、予約を入れる。予約できれば、最後に予約番号が表示される。スマホを使い慣れた人であれば、操作はそれほど難しくないだろう。

予約してみれば、「バスはすぐ近くにいて、待ち時間はゼロ」だという。見れば、駅前のバス乗り場の端にある乗車地点にすでに車両が待っていた。ちなみに、「今日は、たまたまラッキーなだけで、平均すると8分くらいの待ち時間がある」とNTTドコモの槇島氏は説明する。

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