「会社四季報」春号に見るコロナウイルスの損得 テレワークやクリーンルームなどに追い風も

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またランキングでは、3~5月決算会社を対象にして、来期の営業増益率に焦点を当てた企画を2本用意した。1つは「今期も来期も連続増益予想の会社」を掲載したもの。もう1つは「今期は減益予想ながら来期は増益を見込む会社」を掲載したものだ。前者は順調に成長を続けている会社であり、後者はV字回復を遂げる会社だ。

株式投資をする際は、順調な会社は安心感があるとはいえ、すでに市場で評価されていて、株価の上昇余地が少ない場合もある。一方で、V字回復の会社は業績に安定感は欠くものの、その変化率がサプライズとなって、リスクは高いがリターンも期待できる、ハイリスクハイリターンの会社ともいえるだろう。

来期を意識して取材した上での独自予想

連続営業増益の中で、首位となった会社の今期増益率は94%、来期増益率は76%となった。V字回復の中で首位となった会社は、今期の営業利益が前期の200分の1になるものの、来期はそこから160倍となる予想である。

ちなみに個別企業の中には、新型コロナウイルス渦が追い風となる銘柄もある。クリーンルームにも使われるエアーシステムの日本エアーテック(6291)、テレワークに有望な仮想デスクトップのアセンテック(3565)、同じくテレワークソリューションのセグエグループ(3968)などだ。

上場会社の大半を占める、3月決算会社の来期予想が会社から発表されるのは、4月下旬から5月上旬にかけてだ。四季報記者は来期を意識して取材を進めたうえで予想数字を立てている。会社発表より一足早い来期見通しこそ、ぜひ参考にしていただきたい。

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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