「不倫した芸能人」がCM業界から追放される理由 なぜ今も矢口真里にCMを頼みづらいのか?

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撮影は1日がかりになるし、場合によっては海外ロケで数日拘束されることもある。しかし、ある程度知名度を持つ芸能人の場合、CM1本に出演するだけで、5000万から1億円を稼ぐこともある。ドラマやテレビに出るよりも圧倒的にコスパが高いと言っても過言ではないだろう。

実際、ある大手広告代理店に勤める営業担当社はこう語る。

「芸能人はCMに出ることが最終目標になっている面があります。今はハリウッド映画やNetflixなど巨額のギャラが得られる仕事を目指す道もありますが、日本人で重要な役を獲得できるのはごくわずか。となれば、CM契約が最もおいしい仕事です。普段のテレビ出演や、映画出演はCMに出るための“プロモーション”の側面もあります。そこで注目を集めた芸能人ほど、CMのオファーが来やすくなりますから」

CMをつぶされかけて激怒した社長

CM出演は、タレントはもちろん所属する芸能事務所にとってもおいしい仕事だ。報酬が高いのはもちろん、芸能人の人気が高ければ高いほど広告代理店やスポンサーに強気な交渉ができる。

実際、事務所の人間がいかに「所属タレントのCM出演を重要視しているのか」がわかるエピソードがある。私が、今年1月に「FINDERS」というウェブメディアで書いた記事の一部を要約する。

私がネットニュース編集者として、「清純派女性芸能人があるアスリートと付き合っているのでは」との疑惑を報じたときのことだ。事務所から「事務所に来い、オラ!」と激怒の電話が来て、対面での事情説明と謝罪を求められた。情報の精度はかなり高そうなので掲載し、恐らく事実なのだから謝罪をする必要はないものの、とにかく社長が怒っているので行くことにした。

「このクソッタレ!タコ!この野郎、お前なんかがいなければこんなクソみたいなことにならなかったんだ、エッ! この馬鹿野郎! CM決まったばかりなのに余計なことしやがって! これで契約打ち切られたらどーしてくれるんだ!」

会うなりこう罵倒されたのだが、「CM決まったばかりなのに」という言葉で社長が激怒する理由がよくわかった。事務所が手塩にかけて育ててきたタレントがついにCM出演という形で認められたのだ。当時の彼女レベルであれば、報酬は800万~1200万円ほど。1ステージ3万円といった安価なイベント出演などもこなしてきたであろう彼女がついにCM出演にまでたどり着いたにもかかわらず、いきなりメディアの人間に水を差されたのである。

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