旧郵政官僚の悲喜交々、グループ人事の実情

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旧郵政官僚の悲喜交々、グループ人事の実情

日本郵政の経営陣大刷新に次いで、グループ子会社の役員人事が11月26日までに出そろった。新政権が掲げた民営化の見直しを反映し、3子会社の社長が交代。目につくのは旧郵政官僚の入れ替わりで、言うなれば悲喜交々(ひきこもごも)である。

中でも郵政関係者らを最も驚かせたのが、郵政事業会社社長を務めた團宏明氏の退任だった。團氏は旧郵政省出身で、日本郵政では生え抜きのトップエリートと目されてきた人物。人事一新でも残留と見る向きは少なくなかった。

10月下旬、齋藤次郎・日本郵政社長は就任会見上、財務省出身で金融庁長官も務めた経歴を持つゆうちょ銀行の高木祥吉社長について「お辞めいただくことになる」と断言。後任は、新たに日本郵政副社長に就任した元長銀常務の高井俊成氏が兼任すると一部で報じられた。

だが、架空増資事件があった企業の監査役を務めていた同氏の過去が社内外で物議を醸したため、そうした線も消失。代わりに、團氏がゆうちょ銀行へと横滑りする説も一時浮上していた。

ところが、これまで民営化路線を進めた西川善文・前日本郵政社長の“同胞”と見なされたのか、「亀井静香郵政改革担当相の強い意志」(日本郵政関係者)が働き、横滑りという選択肢が閉ざされ、退任することになったという。

すったもんだの揚げ句、ゆうちょ銀行新社長には三井物産副社長だった井澤吉幸氏の就任で、何とか着地した。ほかにも旧郵政省出身者では、民営化に不可欠といえる郵便局のコンプライアンスを担当していた森隆政・郵便局会社副社長が退任となった。

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