楽天、データ無制限の格安プランが抱える制約 大手より大幅に安いが顧客獲得は容易でない
「衝撃的、革新的な料金プランを実現できた」。楽天の三木谷浩史会長兼社長は自信満々にそう語った。3月3日、楽天モバイルが発表した4月開始の携帯電話事業の料金プランはたった1つ。データ通信は使い放題で、月額料金が2980円(税別、以下同)というものだった。
現在、大手3社の大容量のプランは、NTTドコモが月額6980円でデータ通信量が60ギガバイト(キャンペーン増量分込み)、KDDIのauが同7480円で無制限、ソフトバンクが同7480円で50ギガバイト(動画とSNSは使い放題)となっている。数字だけ見ると、第4のキャリアとして新規参入する楽天モバイルの料金は格段に安い。
ただし、当面は大きな制約がつく。データ通信が使い放題なのは、楽天モバイルの自社回線エリア内だけだからだ。4月の商用サービス開始当初、自社回線エリアは主に東京23区、名古屋市、大阪市、神戸市になるという。
一部のエリアではデータに上限を設定
通信回線の自前化が途上のためKDDIから回線を借りる(ローミング)エリアでは、月間2ギガバイトの上限を設けた。それを超過すると速度制限がかかる。
ローミングエリアでは、楽天モバイルは、KDDIとの契約でユーザーが1ギガバイト使うと465円の使用料を支払うことになっている。ユーザーにデータ通信を無制限に使われるとコスト倒れになるため、やむなく上限を設けたのだろう。2ギガバイトを超えて通常速度でデータ通信を使う場合、ユーザーには1ギガバイト当たり500円の追加料金が発生する。
東名阪神エリアでも地下鉄や大きなビル内は当面、KDDIのローミングエリアとなる。そのため、使い放題エリアがかなり限られてしまうのが、新料金プランの大きなネックだ。楽天モバイルは料金プランと併せて、先着300万人を対象に最初の1年間は料金を無料にすると発表した。無料期間の異例の長さは、このネックを補う意味もあるのだろう。
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