新型コロナ対策が安倍政権の「命運」を左右する 迷走する国会答弁、感染続けば結果責任も
仮に「これから1、2週間」と設定した期限である3月中旬以降になっても感染拡大が続いていれば、「政治は結果責任」と繰り返してきた安倍首相の政治責任も厳しく問われることになる。国民の不安をさらに拡大させ、安倍政権の金字塔ともなるはずの東京五輪・パラリンピックの開催も危ぶまれる。
橋本聖子五輪担当相は3月3日の参院予算委で、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪開催の可否を判断する時期を問われると「5月末が大きな基準になっている」と答弁。この発言を受け、海外メディアは「東京五輪中止の可能性も」と一斉に報じた。
改正法で「緊急事態宣言」
もちろん、IOCは4日に予定通りの開催を明言してみせた。安倍首相の盟友とされるアメリカのトランプ大統領は「安倍晋三首相に(判断を)任せる。会場はとても素晴らしく(中止になれば)非常に悲しいことだ」と悲観論も交えた感想を語るなど、欧米各国首脳の多くが不安を口にする。自民党の鈴木俊一総務会長も「中止なら政治責任が持ち上がる」と語るなど危機感は隠せない。
そうした中、首相は4日に立憲民主党の枝野幸男代表をはじめ野党5党党首と個別の党首会談を行った。安倍首相は感染拡大防止のため、新型インフルエンザ対策特別措置法の改正について野党の協力を求めた。
政府が準備している同法改正案は、同法で感染防止の対象となっていない新型コロナウイルスを2020年2月から最長2年間に限り、新たに追加することなどが盛り込まれている。感染が全国的かつ急速に拡大する可能性が出てきた場合は、首相が緊急事態を宣言できる。
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