新型コロナ対策が安倍政権の「命運」を左右する

迷走する国会答弁、感染続けば結果責任も

3月2日から参院予算委員会に舞台を移した与野党論戦もコロナ一色となった。

首相の休校要請について、野党は「なぜ、政府の専門家会議から意見を聞かなかったのか」と追及。安倍首相は「新たなクラスター(集団感染)を食い止めるためで、専門家の意見を聞いたものではなく、私の責任で判断した」と自らの政治決断だったことを強調した。

感染の有無を調べるPCR検査について、「かかりつけ医などの判断ですべての患者が受けられる十分な検査能力を確保する」とした記者会見での発言を、安倍首相は3日の参院予算委で「今すぐできるとは言っていない」と軌道修正。具体的対応についての答弁も迷走した。

世論の反発は想定外だった

厚生労働省はPCR検査を3月6日に公的医療保険の適用対象とすると発表したが、検査機関の態勢整備にはなお時間がかかるとの見方が多い。このため、野党の追及をかわし続ける安倍首相の表情にも、自信と不安が交錯しているようにみえる。     

安倍首相が政府内の慎重論を押し切ってまで休校宣言に踏み切ったのは、「コロナ対応で首相の顔が見えない」(公明党幹部)という与党内の批判を踏まえ、「トップリーダーとしての指導力をアピールするのが狙いでは」(自民幹部)と受け止められている。

内外の安倍政権批判は強まるばかりで、最新の世論調査では内閣支持率も急落し、「このままでは政権危機が深刻化する」(首相側近)との不安が拡大している。

会見で政治決断や結果責任を強調したことについても、永田町では「態勢挽回を狙った首相の大勝負」(同)との見方が多い。あえて退路を断ち、「苦し紛れの場当たり対応」(立憲民主党幹部)という批判も織り込み済みだったとみられる。

ただ、事前の根回しもなかった全国の自治体や教育現場は大混乱に陥り、国民世論も賛否が真っ二つに割れたことは、「想定外の事態」(首相周辺)だったとされる。

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