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なぜ大企業の介護保険料が4月から上がるのか 加入者割から総報酬割へ移行する意味

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この記事には、次のような文章があるのですが、これって、悪いことなのでしょうか?

主に大企業で働く人の保険料が上がるのは、増え続ける介護費をまかなうために所得の多い人の保険料を増やしているためだ。厚生労働省が所得水準に比例して保険料が決まる「総報酬割」を17年度から4年かけて導入し、20年度は所得の多い人が多くいる健保組合を対象にした緩和措置がなくなる。このため20年度は所得が多い人ほど保険料の上がり方が大きい。

記事のサブタイトルにあるように、「給付の抑制急務に」につなげたいようですけど、給付の抑制、つまりは介護保険の機能を弱体化させるということは、介護を必要とする当人やその家族に負担をシフトすることになると思うのですけどね。

あなたは第何象限から発言されていますか?

次の図に描いているように、一国の福祉ニーズというのは丸い風船のようなもので、どこかを押せばほかのどこかが膨らむものです。公的な介護保険という、政府が担う部分を減らそうとしても、日本では家族が担う部分が膨らむことになったりするわけで、どの国も一国の福祉ニーズそのものを減らすことはほとんどできません。

これから総報酬割が全面的に適用される4月まで、しばらくは、「大企業による介護保険料の負担が増えるのだから給付抑制が急務である」という記事がいろんなところから出てくるのだろうと思います。そうした記事を見たときは、なにゆえに、「加入者割」から「総報酬割」に20年もかけて移行が目指されたのかを、少し立ち止まって考えてみるのもいいと思う。

そして今回も、「子どものころ教わらなかった大人の世界の民主主義」での文章で終えましょうか。

心の中で問うことにしたらどうだろうか――「あなたは第何象限から発言されていますか?」と。

もちろん、この問いを、僕に向けられてもオッケー。

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