実はかなり違う米民主党候補の「外交政策」 指名候補争いトップのサンダースの政策は?
民主党の候補者たちは外交政策への取り組み方が異なっている。しかし、その中の1人、ミネソタ州選出のエイミー・クロブシャー上院議員は2019年12月11日、ワシントンの外交問題評議会でトランプ氏の外交政策を酷評する演説を行い、自分が大統領になれば、 ①世界におけるアメリカのリーダーシップの回復、②アメリカの同盟関係の修復、③国際的な合意や制度への再参加、④脅威や挑戦への効果的な対応、⑤アメリカの価値観の再主張を約束した。
これらは、民主党の候補者の多くが大統領に選出された場合に追求するであろう外交政策を反映している。しかし、公認の可能性が高い6人の候補者(ジョー・バイデン元副大統領、マイケル・ブルームバーグ元市長、ピート・ブティジェッジ元市長、クロブシャー上院議員、バーニー・サンダース上院議員、エリザベス・ウォーレン上院議員)は、外交政策では大きく3つのグループに分けられる。
サンダースとウォレンは「国内政策重視派」
第一のグループ、サンダースとウォーレンは、国内政策を重視し、アメリカの労働者の福祉に直接影響を与える場合を除いて、対外政策にはあまり注意を払わないだろう。
ここでも両者の間には違いがある。ウォーレンは上院でのUSMCA(アメリカ合衆国・メキシコ・カナダ協定)の通過を支持したのに対し、サンダースはアメリカの労働者の利益を十分に保護していないとして反対した。しかし、どちらもTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加には否定的だ。
第二のグループ、バイデンとブルームバーグは、2017年以前の世界におけるアメリカの役割を回復しようと試みる可能性が高い。バイデンは、上院外交委員長および副大統領としての経験から、トランプ以前の「自由で開かれた国際秩序」のリーダーとして成功していたアメリカの役割を再現したいと考えている。
世界的なビジネス帝国を築き上げたブルームバーグは、バイデンと同じようにビジネスし易い開かれた国際環境を回復したいと考えており、中国へのアプローチも、サンダースやウォーレンより寛容である。この第2グループは、アメリカのTPPに参加する可能性が高い。
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