BBCの「受信料廃止」はどこまで現実的なのか 問われ始めた有料「公共放送」の存在価値

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若者層がBBCのテレビ番組を視聴した時間が激減する一方で、Netflixなどのオンデマンド動画の視聴時間は急激に増えている。BBCが将来も存続したいなら、この層を取り込む、つまりは有料動画サービスとの競争が必要になる。しかし、潤沢な資金を使って番組作りをするNetflixやアマゾンにBBCは勝てるだろうか? 残念ながら、「勝てる」という人は少ないだろう。

BBCの番組見逃し視聴サービス「iPlayer」のスタート画面(BBCのサイトより)

「お金を払って動画を見る」ことに慣れている視聴者が増えると、BBCが課金制になってもそれほど違和感を持たなくなるかもしれない。

ただ、実はBBCはすでに「お金を払って見る」制度になっている。それが受信料制度であるのだが、個人単位ではなく世帯単位であること、払わなくても視聴できるようになっていることなどから、誰かがお金を払っていることを忘れがちになる。

公共サービスとしての放送は必要なのか

将来、存続が危ぶまれるのは、BBCという一組織というよりも、BBCが体現してきた公共のためのサービスとしての放送・番組配信かもしれない。

つまり、社会の中のすべての人(BBCの番組を見ないかもしれない人も含む)のために、自分(あるいは家族の誰か)が身銭を切り、すべての人が恩恵を受けるような放送・配信コンテンツを行き渡らせることに賛同するのか、しないのかが問われるのではないか。

筆者の知人がBBCの記事をフェイスブックに投稿したら、友達の1人がこう書きこんでいた。

「僕は受信料がなくなってもかまわない。BBCの『上から目線』の視線が嫌いだし、BBCの番組が1つも見れなくなっても、まったく不都合なところがない。逆にせいせいする」

同じく公共放送のNHKを持つ日本人は、どちらを選ぶだろう? 「公共放送を支持」か、「なくなってもかまわない」か。

小林 恭子 在英ジャーナリスト

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こばやし・ぎんこ / Ginko Kobayashi

成城大学文芸学部芸術学科(映画専攻)を卒業後、アメリカの投資銀行ファースト・ボストン(現クレディ・スイス)勤務を経て、読売新聞の英字日刊紙デイリー・ヨミウリ紙(現ジャパン・ニューズ紙)の記者となる。2002年、渡英。英国のメディアをジャーナリズムの観点からウォッチングするブログ「英国メディア・ウオッチ」を運営しながら、業界紙、雑誌などにメディア記事を執筆。著書に『英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱』。

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