アメリカ大統領選、大荒れニューハンプシャー バイデンは脱落、穏健派レーンは混戦模様に

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バイデン候補はニューハンプシャーを早々に去り、サウスカロライナへ(写真:REUTERS/Carlos Barria)

しかし、今回はこの歴史が繰り返されない可能性も大いにあるとみられている。サンダース候補とブティジェッジ候補は、いずれも本選では不安が残るというのがその理由で、今後、マイノリティが多い州での戦いでほかの候補が挽回する余地もある。また、序盤戦の順位以上に重視されるのが事前予想との比較で、サプライズで3位に入ったクロブシャー候補は今後の予備選でも注目を集めそうだ。

予備選は多種競技にたとえられることもある。2月初旬~3月初旬にかけて行われる序盤4州での戦いとスーパーチューズデーは、陸上競技の5種競技(ペンタスロン)に似ているといわれる。

初戦アイオワ州党員集会(2月3日実施)は熱意のある支持者が党員集会に集まるため、候補がどれだけ組織力を保持しているかを競う。次ぐニューハンプシャー州予備選(2月11日実施)は開放型予備選であることから、共和党および民主党の支持層を上回る数の無党派層の支持確保を競う。そして3つめのネバダ州党員集会(2月22日)は組織力に加えてヒスパニック系の支持確保を競う。4つめのサウスカロライナ州予備選(2月29日)では黒人の支持確保を競う。そして14州で同日実施のスーパーチューズデーでは、広範囲の民主党支持者にどれだけリーチできるかを競う。

「絶望的」の烙印が押されたバイデン氏

バイデン候補は序盤戦の2州で勝てず、支持率ではトップを維持する月末のサウスカロライナ州予備選勝利で、挽回を狙っている。2月11日、ニューハンプシャー州予備選の集計が終わる前に、サウスカロライナ州に向けて飛び立った異例の行為も、それを象徴したものだ。サウスカロライナ州は窮地に陥っているバイデン候補にとり、命綱だ。

だが、今や予備選でのバイデン氏の勝利は絶望的といえる。首都ワシントンで選挙分析で知られる政治アナリストのチャーリー・クック氏は、バイデン氏をすでに「ゾンビ候補」と称し、もはや勝ち目がないとの烙印を押している。

苦戦したニューハンプシャー州予備選からサウスカロライナ州予備選までは、18日もあり、その間、ネバダ州党員集会そしてテレビ討論会が2回開催される。「勝てる候補」を売りにしてきたバイデン候補は序盤の2戦で信頼を失ったため、南部黒人票といった「ファイアウォール(防火壁)」も今や崩壊寸前だ。バイデン候補はネバダ州党員集会で上位につけ、翌週のサウスカロライナ州予備選で圧勝しなければ復活できないと思われるが、その可能性は遠のいている。ただ、選挙資金が続く限りは、予備選に残る可能性がある。

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