事故物件を「安いから借りる人」の偽らざる事情 人が亡くなってしまった部屋を貸す側の苦労
物件の立地などにより事故が起きてしまうケースは珍しくない。
例えば、
・自動車が突っ込んできやすい立地にある
・オートロックがなく、誰でも自由に中に入れる構造だった
・目の前の道路が狭すぎて、救急車、消防車がたどり着けない
などが原因で事故が起きた場合、改善されなければ再び事故が起きてしまう可能性は高い。
事故が起きやすい物件に住む、というのは住人にとってはデメリットだろう。
「事故物件」と伝えない大家、業者の悪質性
「たとえそういう問題がなくても、私はデメリットがあると考えます。なんと言っても『事故物件である』という重要な事実を伝えない大家、業者は取りも直さず
『ウソをつく大家、業者』
であるということなんです。事故物件であるという大事なことを隠していた大家や業者が、『他のことについては正直である』とは私には思えません。
論理の飛躍になるかもしれませんが『敷金を返さない』『合鍵を使って物を盗む』など、より悪質なことをする可能性もあると思います。そんな大家から、あるいはそんな業者経由で家を借りて住んでいること自体が私はデメリットだと思います。
ウソをつく大家や業者とは関わりたくないと思うのが自然だと思いますよ」
確かに『事故物件であることを隠す大家、業者』の物件にあえて住みたいという人はいないだろう。たとえ、自分の借りようとしている物件が事故物件でないことが明白だとしても、違うところから借りたいと思う。
大島さんが、講演会でこのような話をしていたとき、大家業で生計を立てている男性から、悪罵を浴びせかけられたことがあった。
「俺みたいに上流階級に生まれたわけではない人間がのし上がろうと思ったら、汚いことをするしかないんだ!! しょぼい人生を抜け出したかったら、ズルするしかないんだよ!! 俺はお前を全力で潰すぞ!!」
と絡まれた。裸一貫から頑張ってきた男性の目から見ると、大島さんは
「ただただ、人の商売を邪魔するだけの人間」
に見えていたのではないか?と大島さんは思う。
「相手からはハッキリと物を言われたので、私もハッキリと自分の考えを言いました。
『悪いことをしてまでのし上がらなくていいです。ずっと下にいればいいです』
と答えました。今思えば、
『悪いことをしなくても、はい上がれる方法はあるはずです』
と言ったほうが丸く収まったかもしれません。ただ、そのときの本音はそうでした」
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