新型肺炎で「反中感情」が世界に広がる根本理由

一部メディアの行きすぎた報道への懸念も

マスクをつけて歩くタイ・バンコクの人々(写真:Amanda Mustard/The New York Times)

日本ではツイッターのハッシュタグで「#中国人は日本に来るな」がトレンド入りした。シンガポールでは、何万人もの住民が中国人の入国を禁止するよう政府に求める請願書に署名した。

香港、韓国、ベトナムではレストランなどが中国本土からの客を歓迎しないという張り紙を出し、フランスの地方紙はトップページに「黄色警報」という見出しを掲載。カナダのトロント郊外では、保護者らが最近中国から帰国した家庭の子どもについて17日間学校を休ませるよう求めた。

パニック拡大の波が実際的な懸念をはるかに上回る

中国を中心に新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることで、世界各地でパニックが広がり、一部であからさまな反中感情が生じている。

世界保健機関(WHO)は1月30日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言し、アメリカ国務省は中国への渡航自粛を勧告するなど、当局は危機の封じ込めを急いでいる。しかし、感染拡大に対する不安がゼノフォビア(外国人嫌悪)を助長している。パニック拡大の波は時に実際的な懸念をはるかに上回っている。

中国の経済力と軍事力の増大がアジアの隣国や西側のライバル国を不安にさせる中、コロナウイルスは中国本土の人々に対する潜在的な偏見をあおっている。

ハワイ大学マノア校のクリスティ・ゴベラ助教授(アジア研究)は「ゼノフォビアの一部は、中国に関する広範な政治的および経済的な緊張と懸念が基にあるとみられる。それが最近の感染に対する恐怖と相互に作用している」と話す。

新型ウイルスの感染拡大に対する措置の中には、感染症のリスクに基づいた合理的なものもある。航空各社は感染の中心地である武漢や中国のほかの都市への便を欠航し、各種会議の主催者は中国の代表団に出席を控えるよう求めている。

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