数字に強い社長が安定経営できるシンプル理由 失敗する社長が見逃している3つの数字とは

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売り上げだけを見ていればよかった時期と違い、忙しい社長が経理もカバーすることは難しくなってきます。「売り上げはガンガン伸びているのに、なぜか赤字」という社長は「入ってくるお金」ばかり見ていて、「出ていくお金」が見えていないということが多いのです。「売り上げが上がっているから」と、どんどん人を増やしたり、仕入れや設備投資に無頓着にお金を使っていたりしたら、赤字になるのは当たり前でしょう。

損益分岐点売上高は、出ていく固定費が多いほど大きな数字になります。「経費をいくら使うためには、それをカバーするためにどのくらいの売り上げの増加が必要なのか」ということを踏まえたうえで、出ていくお金をしっかりコントロールしなければなりません。

当然のことですが「売り上げを1円でも多くするためには、どれだけ経費をかけても、どれだけ時間をかけてもいい」ということはありません。そのバランスを意識していくためにも、つねに「損益分岐点売上高」は意識しておくべきです。

お金は会社の「血液」

社長が見落としがちな3つの数字② キャッシュフロー

2つ目の数字が「キャッシュフロー」です。お金は会社の「血液」です。そのお金の流れを示すものがキャッシュフローです。お金という「血液」が回っていなければ、会社は生きていくことができません。

実際に倒産に至る要因は、損益ではなくキャッシュフローです。どんなに大きな赤字でもお金があれば倒産しませんし、たとえ売り上げが伸びていて、利益が出ていても、今必要なお金がなければ、会社はつぶれてしまうのです。

前述の損益分岐点売上高は、1年間の合計が差し引き利益になるかどうかという視点でしたが、キャッシュフローは違います。1年の中で1日でも資金ショートする瞬間があれば会社は倒産します。資金についてはタイミングを含めて把握する必要があります。考え方としては「必要な手元資金を確保すること」が第1で、次に将来の大きなキャッシュフローを把握して対策を打ち、最後に長期的な資金計画を作ります。

ここでは第1の「手元資金」について話します。手元資金として必要な金額については借り入れをしてでも手元に置いておくべきです。この必要額は会社の状況によってさまざま異なります。

運転資金としての必要額(これはキャッシュインとキャッシュアウトのタイミングにより大きく異なります)、売り上げの不安定部分を賄う余力(月々の売り上げの変動が大きい職種はとくに必要)、万が一のときのために固定費(給与や家賃など)の支払いを確保するための備えなど、さまざまな要因で変わってきます。

どんぶり勘定での失敗例としては「売り上げはどんどん拡大しているから」「数カ月後に大きな売り上げがあるから」と、仕入れや設備投資に多額のお金を費やし、現金がみるみるうちに減ってしまうというものです。設備資金は計画的に確保するでしょうが、売り上げ拡大に伴う仕入れ・外注などは気づくと膨らんでいることが多々あります。

また、「利益が出たことで予想以上に税金を払うケース」「初めての消費税の支払義務が出たタイミング」「初めての中間納税のタイミング」などのケースでは、事前に予測しておかないとまとまった金額の支出になるため、注意が必要です。現金を守ることは非常に重要であり、「3つの数字」の中でいちばん見なければいけない数字と言えるかもしれません。

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