若者で広がる、工業高校離れ

今や就職先はコンビニ!?工場減り人気離散

 内需縮小、海外現地生産拡大などで、日本から工場の数が減っている。1983年に44.7万カ所あった事業所(工場)数は、2012年には21.6万事業所と半減した。と同時に見逃せないのが、実は、本来なら工場を支えるであろう、若者の存在である。

かつて、ものづくりの現場は、ベテランが新人に「巧の技」を伝承していた。現在は工場に若者の数そのものが少ない

学校数は約4割減、生徒数は6割減

それを端的に表すのが工業高校の数だ。工業学科のある高等学校の数は、ピークだった1965年の925校から、13年には542校と、4割以上も減った。工業高校の生徒数も、ピークの62万人から26万人へと、何と6割弱も減。ラグビーの伏見工業高校、野球の愛知工業大学名電高等学校など、工業高校にはスポーツの名門校が多いが、そういった一部の例を除けば、工業高校の人気は確実に衰えている、と言ってもいい。

工業高校の授業では、通常、「工業技術基礎」や「機械工作」「製図」などを学習する。旋盤や溶接などの実習を通じ、ものづくりの基本を叩き込むのだ。「2級技能士」「3級技能士」などの国家資格取得を奨励する学校も多い。

「高校生ものづくりコンテスト全国大会」(主催:全国工業高等学校長協会)は、その象徴だろう。旋盤作業や自動車整備などの部門に分かれ、全国から工業高校の生徒が集まる。切削面の削り込み、ねじのはめあい具合、寸法精度をめぐって、自らの技を競い合うのである。このものづくりコンテストの“大人版”が、「技能五輪全国大会」(主催:中央職業能力開発協会)と言える。

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