ヤマト、ネット通販の配送で周回遅れの改革

「自前主義」の脱却はどれだけ実を結ぶのか

ヤマトの成長戦略には自前主義からの転換も大きなカギを握っている(撮影:大澤誠)

宅配首位のヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングスは1月23日、中長期の経営構造改革プランを発表した。主力であるデリバリー事業の収益が低下する中、事業構造の抜本的な改革を進める。2024年3月期には、売上高にあたる営業収益を2兆円(2019年3月期1兆6253億円)、営業利益を1200億円以上(同583億円)に引き上げる計画だ。

 2019年4月に就任した長尾裕社長が、中長期の事業戦略を説明するのは今回が初めて。「顧客としっかり向き合う。これまでのヤマトの姿を取り戻したい」と神妙な面持ちで語った。

数値目標が過大との見方も

ヤマトは2020年3月期、宅配便の取扱量の低迷などを理由に2度の業績下方修正を強いられている。通期の営業利益で720億円(前期比23・4%増)を掲げていたが、2019年10月に620億円(同6・3%増)へ引き下げた。しかし、2019年4月~12月までの宅配便の取扱量は前年同月比で0.7%減と足元では厳しい状況が続いている。営業利益は目標に届かず、2019年3月期実績の583億円を下回るおそれもある。

こうした中、グループ経営体制の再編で効率化を目指す。2021年4月に純粋持ち株会社であるヤマトホールディングスが、宅配(デリバリー)事業を手掛けるヤマト運輸などの100%子会社7社などを吸収合併し、事業会社に移行する。マネジメントなどの本社機能を集約し、コスト削減を図る狙いだ。

同時にデジタル領域への投資を加速する。今後4年間でITやデジタルへ1000億円、配送業務の効率化へ1000億円を投じる。新システムを全国の仕分けセンター(BASE)に導入し、営業所でも行っていた荷物の仕分け作業はBASEで完結させる。データを活用した需要予測も行い、業務量に応じた人員配置など、オペレーションの効率化にも力を入れる。

今回打ち出した一連の施策について、「事業環境変化への危機感が出ている点では、新戦略は評価に値する。だが、まだ具体性に乏しく、数値目標にも過大な印象がある」(JPモルガン証券の姫野良太アナリスト)との指摘もある。

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